CPMを支えるITインフラ:特集:データ経営でビジネスを制す(3/3 ページ)
前回まではコーポレート・パフォーマンス・マネジメント(CPM)の意義と実践事例を解説してきた。今回は、CPMソリューションを支えるITインフラについて解説する。
企業全体を俯瞰した業務横断的な視点
経営全体を対象として、業績管理とリスクマネジメントの双方について、顧客や業務の視点を含めた形で評価を行う包括的なCPMを実現するためには、ビジネスアーキテクチャという設計図にCPMをどうように取り入れていくか、という企業全体を俯瞰した業務横断的な視点が必要になる。
企業全体を俯瞰した業務横断的な視点という前提に立った場合、CPMのITアーキテクチャの要件として不可欠なものは何であろうか。
1つは、前述の「各構成要素の役割」の2で触れたDWHの繰り返しとなるが、CPM用に統合されたデータモデルであると私は考えている。販売管理用にデータモデルが存在するように、CPM用にデータモデルが存在するべきである。CPMが経営全体を対象としたものであると捉える限り、データモデルも同様のスコープをカバーする一元化されたものとして捉えるのが望ましい。
また、マネジメント・コクピットと呼ばれるような一元化されたユーザーインタフェースも、重要な要件になると思われる。全体最適化という広いスコープでITインフラを捉えようとする考え方が、今後の主流になると考えられるが、ITの観点からは、CPMほど全体最適化が求められる領域はない。
企業経営全体のCPMを再検討にあわせて、それを支えるITインフラの再検討もあわせて進めていただければと思う。
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井口 聡 (いぐち さとし)
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