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ホスト脱却、ERP導入で次世代のビジネス展開を図るアパレル企業中堅企業のIT化の実際(2/4 ページ)

明治18年創業、アパレル事業を中心とした大阪船場の老舗商社の村田長は30年にわたって自社開発してきたホストシステム上に実装された販売在庫管理システムの問題に対応し、ERPをベースにした新たなシステムを構築した。

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将来への不安を考慮

 しかし、そうした専門パッケージの多くは販売管理や在庫管理を中心としているため、会計システムは別パッケージで実装し、それらを連携させる必要があった。もし、将来的に他事業部がホストコンピュータをリプレースする際には、また、新たに別のシステムを導入しなければならない。

 となると、複数のパッケージを導入することによる運用面、バージョンアップなどの不安要素が気になってくる。そこで、選択肢に挙がったのがSAP R/3だった。SAP R/3の場合は、特定の機能に特化したアプリケーションではなく、企業が必要とする機能をトータルに提供する厳密な意味でのERPと言えるため、異種パッケージアプリケーション間の連携における心配は少ない。

 また、現状のホストシステムにはない管理会計の機能を使えること、さらに、各業界向けに機能拡張したインダストリーソリューションという追加ソフトウェアがあることもR/3のメリットだった。アパレル業界向けには「SAP AFS」というソリューションモジュールが提供されている。

 SKU(Stock Keeping Unit:最小在庫管理単位)での在庫管理など、主に販売管理、在庫管理面でアパレル業界への拡張がされている。世界ではAdidasなど、多くの企業への導入実績がある。ただし、R/3は大企業向けというイメージが強く、費用的にも年商150億の会社にとっては厳しいのではないかという懸念があったのも事実だ。


アパレル・スポーツ業界ではSKU単位の管理が重要

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