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緊急事態発生! BCPの初動フェーズですべきこと(3/3 ページ)

いよいよ今回から、実際に有事の際、どのようなフローで復旧まで進めていくのかフェーズを分けて説明する。まずは事業継続のため初期の対応を実施する「BCP発動フェーズ」を紹介しよう。

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 初動の段階で安否確認ができた要員で、緊急対策本部および各対策チームの設置を行う。緊急時には平時に設定した要員がすべて参加できないかもしれない。場合によっては召集できた要員で改めて役割分担を決める必要があるだろう。

 設置された緊急対策本部および各対策チームでは、被害状況とその影響を確認し、BCPについての基本方針を決定する。基本方針には以下のような項目が含まれる。

  • BCP発動範囲、発動タイミング
  • 業務優先順位
  • 経営資源の配置計画
  • 業務の復旧目標
  • 顧客など対外対応、広報計画 等

 ここで業務優先順位については、前回紹介したビジネスインパクト分析であらかじめ決定している業務優先順位を基準に、設備の被害状況、要員体制、回復見込みなどを考慮し、最終的な業務優先順位を決定する。この優先順位に従って経営資源を配置し、被害を受けた施設・設備・システムの復旧目標を立てる。


 まとめると、BCP発動フェーズにおいて、平時に取り決めておいたほうがよい項目は以下のようなものとなる。

  • 対策本部の設置基準
  • 対策本部の設置候補地(複数)
  • 緊急連絡網と連絡すべき項目(対策チームごと)
  • 情報の発信担当者、収集担当者(対策チームごと)

 被害を極小化するには、その初期対応が重要となる。対策本部が寄せられた情報を基にBCPの基本方針を決定するまでにはある程度の時間が必要となる。とはいえ、対策チームでとるべき対応は、対策本部の指示を待たずに着手できることが多い。平時に手順などを定めておくことで、要員が集まり次第行動を開始できるだろう。

 次回は業務再開フェーズについて解説する。

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