リース満了の直前で慌てないために――創業50年、ねじ卸業のK社長のケース:中小企業のためのIT活用業務歳時記(2/2 ページ)
ITシステムのリース満了は必ずやってくる。その前に次の戦略を考えておかなければ、業務のやり方が陳腐化したままということはよくある。地方都市で創業50年のねじ卸業を営む2代目K社長は、その時を迎えようとしている。
事業継承を機にパッケージソフト活用でBPR
ちょうどこの年、別のねじ卸売業社で修行を終えた息子が3代目後継者として会社に入ってきた。息子に事業を引き渡す今がこれまでの仕事のやり方を見直すチャンスでもある。息子にとっても経営者としての教育の機会になる。早速、息子を交え、役員会で仕事のやり方の見直しとIT化の方向性を考えることにした。
結果、「卸売業の仕事自体はシンプル、ほかの卸売業が活用しているパッケージソフトがあれば、ある程度パッケージソフトの持つ機能に仕事を合せてしまったらどうか。そうすれば会計システムや在庫管理との連動も容易にできるだろう」という結論に達した。
息子をプロジェクトリーダーとして、パッケージソフト導入の方向でシステム刷新とBPR(Business Process Re-engineering)を同時に行うことにした。そこで同社がパッケージソフトを選定するための基準にしたのは、次の6点だった。
- 継続性が担保できる大手企業の商品
- 納入実績豊富な商品
- 業務思想がシンプルで無駄がない
- 会計ソフトが用意されている、または現会計システムと連携が可能
- 在庫管理、営業管理などのオプション商品が用意され、将来拡張が可能
- 保守してくれるITベンダーが近くにいる
この卸売業はITコーディネータの支援を受けて、リース期間延長半年後までにパッケージソフトを活用したシステムの刷新を完了、今でもBPRを継続している。
K社長のケースはリース切れ直前になってIT化の方向性に悩んでしまったが、西暦2000年問題のときに慌てて行ったシステム開発の経験とK社長の決断の速さによって、パッケージソフトに切り替え、リース期間切れによるシステム刷新に成功した。リース満了は業務の見直しのチャンスでもある。直前になって慌てないように準備しておくことが必要だ。
皆さんの会社の業務システムのハードウェア、ソフトウェアのリース満了はいつなのか、しっかり把握している?
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木村玲美
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