受発注情報サイトで企業間取引を拡大させよう:売ってなんぼ! 中小企業の顧客獲得作戦(2/2 ページ)
ネット上の企業間取引の道具として「受発注情報サイト」がある。販路開拓だけでなく、仕入先、パートナー企業、取り扱い商品の発掘にも威力を発揮する。受発注情報サイトを上手に活用して、ビジネス拡大につなげよう。
受発注情報サイト活用成功のポイント
サービス業の受発注情報サイトとして知られているものには「楽天ビジネス」があります。以前、楽天ビジネスに登録している印刷業者の繁盛例を伺いました。その秘訣の一端を紹介しましょう。
楽天ビジネスに登録している印刷業者は、「こんなものを印刷したい」という買い手企業のニーズ情報に対して、業界用語を使用して見積もりを出しているケースが多く見られます。「上質紙55kg(四六版換算)何枚幾ら」という感じです。しかし、繁盛する業者のやり方は異なります。
「顧客がイメージされているのは、日曜日の新聞折り込みに入ってくる2つ折りで、高級マンションのチラシに使われているような、ちょっと厚手でつや消しの紙ですか? それとも……」と誰にでも理解できるような言葉にして、ニーズを確認していきます。そして「その用途だったら、こちらの紙の方が安価で適しています」とやり取りをしていくのだそうです。少ロットでも懇切丁寧な対応を行うことで、後の大量受注に結び付けています。
成功を収めている売り手企業に共通しているのは、
- コミュニケーション能力が高く、理解力・想像力がある
- 自社の強みを把握し、顧客に合わせた分かりやすい提案をしている
- 品質と値段のバランスが良い、安ければ良いわけではない
- 地理的要件をものともしない
という点です。前回説明したB2Cのショッピングモール同様、受発注情報サイトでも究極的にはフェイス・ツー・フェイスによる対面営業が基本となってくるのです。
受発注情報サイト活用のメリット・注意点
受発注情報サイトを活用する長所と注意点は、ショッピングモールとほぼ同じといえます。ただ、企業間取引は、掛け売りや取引額が高額になる場合もあるので、与信管理を怠りなく行う必要があるなど、注意点もあります。以下にメリットと注意点をまとめました。
<受発注情報サイト活用のメリット>
- 受発注情報サイトのブランド力、集客力を利用できる
- 初期費用がかからず、出店できる
- 受発注情報サイトからの情報提供、サービスを利用できる
- ホームページ作成のノウハウが必要ない
- 企業間のコラボレーションへと展開する可能性がある
<受発注情報サイト活用の注意点>
- 受発注情報サイト事業者間での競争がある
- 特色を出さないと埋もれてしまう
- 与信管理の難しさ(与信管理機能を持つ受発注サイトもある)
受発注情報サイトは、ここまでに紹介してきたような販路開拓だけでなく、仕入先、パートナー企業、取り扱い商品の発掘にも威力を発揮します。企業力、商品力の強化にも役立てることができるわけです。受発注情報サイトを上手に活用できれば、中小企業のビジネス拡大に非常に有効な道具となってきます。
各分野の主な受発注情報サイト
<総合>
「経革広場」(マイクロソフト) 無料
「商談.com」 無料
<製造業>
「NCnetwork」 初期登録料1万円、3000円/月〜
「ものづくりタウン21」 無料
<サービス>
「楽天ビジネス」 法人2万円/月、紹介3000円/1件
「商談上手」 無料(近畿地方事業者のみ)
<その他商材>
「トラボックス」 無料 荷物とトラックのマッチング
「ザッカネット」 正会員6000円/月 雑貨の製造・卸・小売のマッチング
「ドラッグネット」 12月末まで無料 ドラッグストアとホームセンターのマッチング
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木村玲美
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