日本BEAは来年2月に旧プラムツリー事業引継ぎ、「超ポータル」へ統合・発展を計画
Plumtree買収完了で新設された米本社ビジネスインタラクション部門のカージス執行副社長は、両社統合による強みを強調したほか、ポータルを超えた「ユーザーインタラクション」へと領域を拡大していくことも明らかにした。
日本BEAシステムズは12月6日、来年2月をめどに日本市場でプラムツリーソフトウェアジャパンの製品事業を引き継ぐことを発表した。8月に発表されたBEA本社によるPlumtree Softwareの買収は10月20日に完了している。Plumtree製品群は、「BEA AquaLogic User Interaction」製品群としてリブランドされる。
買収完了に伴って新設されたビジネスインタラクション部門を統括するマーク・カージス執行副社長は、都内のホテルで行われた記者発表会で、両社統合による強みや、BEA WebLogic PortalとリブランドされるBEA AquaLogic Interaction製品群の統合に向けたロードマップについて話した。
「われわれはJ2EEと.NETをどちらもサポートする唯一のポータルベンダー。さらに“開発指向”と“組み合わせ指向”という、すべての顧客の要求に応える2つのソリューションを併せ持っている」とカージス氏。
「AquaLogic」は、かつて「Project FreeFlow」と呼ばれていたもの。同社が新たな市場でも強固な橋頭堡を築くための先兵となる。エンタープライズサービスバス(ESB)の機能をさらに拡張したメッセージサービスと、よりスピーディーで柔軟な情報の統合を実現するデータおよび情報サービスを基盤とし、セキュリティサービス、プロセスオーケストレーション機能やポータル機能を統合するサービスインフラストラクチャーだ。
.NETもサポートし、また、開発ではなく、アッセンブルおよびカスタマイズ指向のPlumtree製品群を買収したことで、サービスインフラストラクチャーの一員となるポータル製品群を強化した格好だ。
「プロセスオーケストレーション機能やコンポーザー環境も早期に提供していく」とし、カージス氏はさらなる買収も示唆する。
「ポータル」から「ユーザーインタラクション」へ
カージス氏は、2つのポータル製品を統合・発展させていくロードマップも明らかにした。
それによると、すでに触れたように役割の違う2つのソリューション(2つのブランド)を同社は継続して提供していくものの、2007年には「Universal Portal Infrastructure Services」と呼ばれる同じ技術をベースとした製品として統合していくという。
2006年上半期のフェーズ1では、まずWSRP(Web Services for Remote Portlets)とJSR-168(Java Portal)の実装を通じて、2つのポータル製品のポートレットがどちらでも使えるように相互運用性を高める。続く同年下半期のフェーズ2では、現在は旧Plumtree Corporate Portal(BEA AquaLogic Interaction)に依存しているコラボレーションやアナリティクス(分析)の製品群(Activity Servers と呼ばれている)をどちらでも使えるようにポータルから独立させ、「Activity Services」というシェアードサービスにしていく。
カージス氏によれば、並行して「Runner」と呼ばれるプロジェクトが進められ、ポータル/ノンポータルを問わず、ポータルフレームワークの外でWebアプリケーションを組み合わせることができ、同時にIT部門の統制下に置いて体系的に管理していくことができるようになるという。
「ブランドをAquaLogic“Portal”とせずに、“User Interaction”とした狙いはそこにある」とカージス氏。
ちなみに、Wikiスタイルでコラボレーションするための「Holland」、やはりコンシューマー分野では活用されているソーシャルタギングをビジネスでも応用する「Graffiti」という2つのプロジェクトも進行中という。
日本BEAシステムズのアリイ・ヒロシ社長は、「われわれは2年前からSOAに力を注ぎ、今年、多くのプロジェクトが花開いた。BEA WebLogic Portalの売り上げも伸びているが、AquaLogic User Interaction製品群によって問題を解決するためのオプションがさらに増える」と話した。
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