「Think liquid」──SOAで企業システムを簡素化するとBEAのチュアングCEO:BEA World 2005 Santa Clara Report
Think liquidでリブランディングを図るBEA Systemsが、本拠地のシリコンバレーで「BEA World 2005」を開催した。チュアングCEOは、基調講演に登場し、同社のSOA戦略の概要を紹介した。
米国時間の9月27日、シリコンバレーのサンタクララで「BEA World 2005」が開幕した。初日の基調講演にはBEA Systemsのアルフレッド・チュアングCEOが登場し、同社のSOA戦略の概要を紹介した。
チュアング氏は、このところBEAのキーフレーズとなっている「Think liquid」(流動的な考え方)を同社の信念であると紹介し、BEAの使命は「エンタープライズコンピューティングを流動的にし、簡素化していくこと」だとした。これが、同社がSOAに取り組む理由であり、単なるメッセージだけの問題ではなく、実際にSOAを実現できるのがBEAであると訴えた。
またBEAは、J2EE(Java)、Microsoft .NET、SAP、Oracle、IBMなど、さまざまなアプリケーション環境をすべてサポートしており、ハードウェア、OS、ソフトウェア、プラットフォームなど、あらゆる要素に依存しない包括的なSOAプラットフォームであるとした。
さらに、企業がSOAに取り組むメリットについて、同氏は「ITのゴールとビジネスのゴールに整合性を持たせる」ことに有用だとし、エグゼクティブに対しては「ビジネスをよりよく監視できるようにする」、アプリケーション開発を行うアーキテクトに対しては「新たに記述するコード量を削減し、ソフトウェア資産の再利用を容易にする」、開発者に対しては「仕事をより楽にしていく」といった効果が期待できるとした。
オープンソースソフトウェアも「ブレンド」
また、オープンソースに対する取り組みについて同氏は「開発者の72%が(Eclipseなどの)オープンソースフレームワークを利用している」と指摘し、J2EEなどのソフトウェアとオープンソースソフトウェアを「Blend」(ブレンド)するという考え方を示した。
具体的には、同社のアプリケーションサーバ「BEA WebLogic Server」で、Apache Beehive、Apache XMLBeans、Spring、Tomcat、Eclipseなどのオープンソースフレームワークで開発されたアプリケーションをサポートする。これによって、WebLogicはこれらオープンソースフレームワークをサポートする業界初のJ2EEアプリケーション環境となったという。
さらに、WebLogicの新バージョンであるBEA WebLogic Server 9.0を「Zero Downtime」(ゼロ・ダウンタイム)を可能とする製品だと紹介し、新たに実現されたHot Swapping(ホットスワップ)機能のデモも見せた。
この機能は、稼働中のアプリケーションを、停止することなく新バージョンにアップデートできるというもの。新バージョンのアプリケーションを旧バージョンと並行して実行し、旧バージョンに接続中のセッションは処理が終わるまでそのまま維持する一方、新たに開始されるセッションは新バージョンで実行することで、スムーズにバージョン切り替えを実現していく。アプリケーションサーバが1台しかない場合でもダウンタイムなしでのアプリケーションの更新が可能になる。
「BEAは今後もカスタマーのためのイノベーションを推進していく」とチュアング氏は宣言した。
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