「SOAのリーダー」を宣言するBEA
「BEAは包括的なSOAプラットフォームを提供する唯一のインフラソフト企業」――BEAWorldでアルフレッド・チュアングCEOが主張した。(IDG)
SOA(サービス指向アーキテクチャ)のリーダーの役割を手に入れるべく、BEAの会長兼CEO(最高経営責任者)アルフレッド・チュアング氏は9月27日、同社はSOA実現における世界のリーダーであるとBEAWorldカンファレンスで宣言した。
BEAがマルチプラットフォームサービス配備に注力していることを挙げ、チュアング氏は、同社は自身のSOAビジョンを達成していると強調した。同社は、.NET、Java、オープンソース、レガシー環境を持つマルチプラットフォーム環境でのサービス配備を可能にしていると同氏。
「われわれは、SOAを現実世界で実現している企業だ。BEAは包括的なSOAプラットフォームを提供する唯一のインフラソフト企業だ」(同氏)
SOAプラットフォームを提供への取り組みの一環として、BEAはBEAWorldカンファレンスで「BEA WebLogic Real Time Edition」を発表した。この製品は年内にリリース予定で、アプリケーションサーバのWebLogic Serverを、JRockit Java仮想マシン(JVM)にリンクさせる。この製品は、ソフトウェアオブジェクトのガベージコレクションを中断する必要がない。
「顧客はアプリケーションから、自身のWebサイトのパフォーマンスをより予測できるようになる」ため、SOAでこれらのメリットを活用するとBEAのマーケティング担当副社長ビル・ロス氏。
また同社幹部らは、WebLogic Serverの「ゼロ・ダウンタイム機能」と呼ばれるものについて説明した。これはシステムをダウンタイムなしでアップグレードできるようにするというもの。トランザクションアプリケーションのメンテナンスにおいて、これは重要な要素になり得る。
BEAは、同社のミドルウェアでSpringなどのオープンソースアプリケーションフレームワークの利用をサポートしている点を強調した。同社はSpringへのカスタマーサポートを提供し、またWebLogic ServerでSpringの動作保証をしている。同社のWebLogic Platformは、ApacheのBeehive、XMLBeans、Spring、Tomcat、Eclipse Web Tool Platformなどのフレームワークと連係させることができる。
BEAWorldのパネルセッションでは、大企業のSOA導入担当者が、各社のSOAへの取り組みとメリットを挙げた。「サービスを再構築するのではなく再利用することで、新たなミスを避けている」とIntelのIT管理者パット・ホルムズ氏は語った。
Sony Picturesでは、6〜7種類のアーキテクチャ、10種類のテクノロジースタック、300種類のアプリケーションを扱わなければならなかったと同社エンタープライズアーキテクチャ担当副社長ダグ・ソーシエ氏。「過去に縛られている状態で、このような組織をどうやって動かすのか? われわれが考えなくてはならなかったのは、異種混在環境のための統一アーキテクチャだった」
サービスを利用すれば、もはやデータが特定アプリケーションに所有されることはなくなると同氏は語った。「データは企業に所有されることになる」
BEAWorldの前から、ライバルのIBMはSOAリーダーを名乗るBEAの主張に積極的に反論していた。IBMから送られてきたメールの中で、広報担当者はIBMをSOAリーダーと呼んだ。
「BEAはSOA市場で弾みをつけようとしている。この分野ではIBMが大差をつけてリーダーの座にある」とIBMと広報担当ロン・ファバリ氏はAMR Researchの報告書を引き合いに出して述べている。
「今週、SOA管理サービスをさらに投入し、IBMはリーダーの地位を強化する」と同氏。
またBEAはBEAWorldで、WebLogic Server 9.0の機能拡張のためのアライアンスをISV(独立系ソフトベンダー)とともに結成することを発表する。このGlobal Management AllianceはBEA Partner Programの一環として、SOAプラットフォームの提供を目的としたパートナーとの共同技術・マーケティングイニシアティブで構成される。これにはBMC Software、Quest Software、Symantecなどが参加する。
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