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ネタ投入のタイミングもシステムが指示、RFIDで勝ち残る回転寿司企業業種は違えど、ヒントを得られる(2/3 ページ)

ロボットで酢飯を握るのはもはや当然。仕入れや客の回転率を極限まで効率化し、利益を出す。あきんどスシローはさらなる効率化を目指し、RFIDタグを利用した単品管理を実施している。

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 実は、あきんどスシローでは7年も前から単品管理に挑戦していた。そこで使われていたのは、画像認識を利用したシステム。皿に載っているネタをCCDカメラで撮影し、ネタの大きさや色から種類を判別するというものだった。しかし、このシステムによる認識率はせいぜい75〜80%程度であったため、データ分析の役には立たなかった。結果、このシステムは失敗と判断され、損失として計上されることになった。しかし、代表取締役社長の清水義雄氏は、単品管理をどうしても諦めることができなかったのである。

山尾博氏
あきんどスシロー 取締役総務部長 山尾博氏

 そこで、3年前、総務部長である山尾博氏らのプロジェクトチームによって新しいシステムの検討が開始された。

現場における運用性を重視したRFIDタグシステム

 システムの候補として上がってきたのが、話題となり始めていたRFIDタグ。しかし、回転寿司の場合、ネタ自体にタグを付けるわけにいかないし、ネタごとに皿を変えるわけにもいかない。

皿の底部に付いたRFID
スシネタ皿と区切り皿の底部には、RFIDタグが取り付けられている。一般に使われているものより、電波の強いタイプだという

 そこで考えられたのが、「区切り皿」を使った方法だ。レーン上に寿司を流す場合、実際の皿の前に「イカ」「マグロ」などと書かれた区切り皿を流す。区切り皿にはネタの名前が記録されたRFIDタグが取り付けられている。通常の皿にもタグが付いているが、これはほかの皿と区別するためのもの。例えば、マグロの区切り皿のあとに続く皿は、すべてマグロと認識される。次にイカの区切り皿が来たら、続く皿はイカというわけだ。

システム概略図
あきんどスシローの店内で使われているRFIDタグシステム。キッチンでは、スシネタ皿を流す前に必ず区切り皿を入れる。キッチンと客席の境目にはセンサーがあり、どの皿が取られたかを記録する。350m移動したスシネタ皿は、自動的に排除される。客からのオーダーは、係員がインターフォンで受け、バーコードリーダーを使って専用端末に入力、キッチンに伝える

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