AMD対Intel訴訟、Intelの「最初の一手」は?(1/2 ページ)
AMDの半導体はドイツで作れているため、米国で裁判できない――IntelはAMDに起こされた独禁法訴訟で、このような申し立てを行うつもりだ。
米AMDは、競合Intelを相手取った独禁法訴訟が2008年には本審理入りするものと考えている。この訴訟は、Intelが自社の立場を濫用し、PCメーカー各社にAMDチップの購入を制限させたとしてAMDが2005年6月28日に起こしたもの。
一方、Intelには別の考えがあるようだ。
双方は4月20日、米デラウェア州ウィルミントンの連邦地方裁判所で初めて顔を合わせ、裁判長とともにこの訴訟に関する話し合いを行った。この中でIntel側弁護団は、申し立てを通じて同裁判所がこの訴訟を審理する司法権を有さないことを示す証拠を提出する考えを伝えた。
Intel側弁護団は、米国法が本件に適用できるのかどうか、できない場合同国裁判所がこれを審理する司法権を有するのかどうかを問う事物管轄権に関する申立書――しばしば(ビタミン製造業者エンパグランの国際カルテルをめぐる訴訟にちなんで)エンパグランと呼ばれる――を提出する予定だと、ジョゼフ・ファーナン裁判長に告げた。
Intelは申し立てを通じて、この訴訟の大部分は米国法の管轄外にあると主張していく。Intelの広報チャック・ムロイ氏はその理由として、AMDの半導体はドイツで生産され、アジアでアセンブリされ、また約3分の2が米国外で販売されていることを挙げ、このため米国法は適用できないだろうと語った。
「当社は訴訟を最後まで戦い抜く態勢を整えているが、このこと(管轄外)は、裁判所が検討すべき重要な事柄と考える」と同氏。
なお申し立ての受付期限は5月2日だとムロイ氏は語った。
AMD側によれば、裁判長はIntelに対し、このような申立書が訴訟の早期段階で提出された場合、その内容が議論の余地のない明白なものでない限り、認められるケースはほとんどないとして申立書提出について注意を促したという。
「従って当社から見れば、この申し立てもIntelによる市場での自らの違法行為の責任逃れの策にしか見えない」と、米カリフォルニア州サニーベールに本拠を置くAMDの広報担当者ドリュー・プレーリー氏は話した。
その間にも、双方の弁護団はファーナン裁判長とともに審理予定日を詰め始めている。
1回目の会合では、企業の機密情報を保護する枠組みとなる保護命令と、文書ならびに宣誓供述書などの証拠の扱いに関するガイドラインについて話し合った、と双方の担当者は語っている。
証拠収集期間中に集められる文書およびPC業界の幹部らの宣誓供述書は膨大な量に及ぶもようだ。保護命令は、機密情報が公共の目にさらされないようにするための措置。
検討されている主な期限は、5月15日の訴訟管理命令の提出、5月22日の双方による保護命令の草案提出、その後双方から意見を募る期間が設けられ、6月15日までに証拠開示請求を行うというもの。
このほかファーナン裁判長は、文書提出期限を2006年12月31日までとしたが、双方とも必要に応じて延長を求めることができる。AMD、Intelとも、2007年を通じて証人の宣誓供述書を作成する考えだ。
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