米AMDは6月27日、Intelが米独占禁止法に違反したとしてデラウェア州米連邦地裁に提訴した。
AMDは48ページにわたる訴状の中で、Intelは世界各地で顧客にAMDと取引しないよう圧力をかけ、x86マイクロプロセッサ市場における独占的地位を不正に維持してきたと訴えている。またこの訴状では、Intelが3大大陸で行った7種の違法行為により被害を受けたコンピュータメーカー、流通業者、小売業者など38社の名が挙げられている。
「世界のどこであれ、顧客は自由に革新を選び、その恩恵を受ける権利を持っている。マイクロプロセッサ市場ではこの権利が奪われている」とAMDのヘクター・ルイズ会長検CEOは発表文で述べている。
AMDは訴状の中で、Intelが次のような違法行為を行ったと申し立てている。
- Dell、ソニー、東芝、Gateway、日立などの大手メーカーにIntelとの独占取引を強要し、その見返りに現金の提供、差別的価格設定、またはAMDを排除することを条件としたマーケティング奨励金を支給した。
- NEC、Acer、富士通などほかの主要メーカーに、AMD製品の購入を制限または中止することを条件にリベート、手当て、市場開拓資金を支給することで、部分的な独占契約を締結した。
- 顧客がAMDから自由に大量のプロセッサを購入できないよう、(Intel製品の)大量購入により適用される差別的で遡及効果のあるインセンティブシステムを確立した。
- 特に企業向けデスクトップなどの戦略的市場において、AMDのコンピュータプラットフォームを導入した顧客に対し、報復措置をとると脅しをかけた。
- Best BuyやCircuit Cityなど主要小売業者にノルマを課し、Intelベースのコンピュータを大量かつ独占的に仕入れるよう強制要し、人為的に消費者の選択を制限した。
- PCメーカーや技術パートナーに、AMD製品の発表や宣伝を拒否するよう強要した。
- AMDを市場において不利にすることを主目的に、業界の技術標準と製品を強制することで市場支配力を濫用した。
今年3月には日本の公正取引委員会が、Intel日本法人が他社製CPUをPCメーカーに採用させないためにリベートを支払ったなどとして、独占禁止法違反で排除勧告を行った(3月8日の記事参照)。同社は排除勧告には応諾したが、公取委の主張は認めていない。
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