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漏えいを防ぐドキュメント管理――ファイルをセキュアに保つポイントはこれだ確実なコンプライアンス対策を実現する ドキュメント管理ソリューション(2/2 ページ)

現在ドキュメント管理が注目されている大きな理由が、情報の漏えいなどを防止するセキュリティ対策のひとつとして利用できるからだ。企業内に存在する情報を一括して管理し、不正なアクセスを防ぐために、ドキュメント管理システムにはどのような仕組みがあるのだろうか。

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セキュリティを実現するソリューション

 こうした課題に対し、それぞれソリューションがある。メール対策については、サーバ側で送信メールを監視し、情報漏えいにつながるメッセージや添付ファイルを検知するというソリューションがある。送信メールをアーカイブしておくことにより、コンプライアンス対応にもつながるほか、メールを監視、保存しているという心理的効果をユーザーに与えられる。

 また、メールへの文書ファイル添付は、できる限り禁止するルールを作るとよいだろう。文書ファイルを送りたいときは、セキュアなサーバ上に置き、そのURLをメールで通知するという使い方だ。これにより、文書ファイルの無駄なコピーを防止できるほか、受信メールボックスなどのストレージ容量、メールアーカイブ容量が節約できる。

 文書ファイルそのもののセキュリティ対策については、暗号化やパスワードロックというソリューションがある。暗号化やパスワードを設定することで、特定のクライアントまたはユーザー以外には閲覧できないようにするというものだ。これならば、ファイルがコピーされても情報漏えいをある程度防止できる。ただし、故意による持ち出しには効果が薄いので、ドキュメントそのものの閲覧ログを取得するというソリューションを併用するとよいだろう。こうしたソリューションには、例えばMicrosoft Officeドキュメントを管理できるマイクロソフトの「Windows Rights Management Services」、PDFドキュメントを管理できるアドビシステムズの「Adobe LiveCycle Policy Server」などがある。

 さらに、紙への出力については、プリンタの持つセキュリティ機能が有効だ。現在のオフィス向けプリンタの多くでは、認証印刷機能や印刷ログ、すかし印刷、タイムスタンプ印刷などの機能が用意されている。これらを利用することで、特定のユーザー以外の印刷を防止できる。また、すかしを印刷することで、業務以外の印刷を防止できるというメリットもある。ある企業の実例では、すべての印刷物にすかしを強制的にプリントすることで私用の印刷などを防止し、印刷にかかるコストが大幅に削減できたという。さらに、印刷ログの取得は、メールと同じくコンプライアンス対応と心理的効果が期待できる。

 このように、データの管理から印刷まで、ドキュメントのライフサイクルすべてにおいてセキュリティを確保し、漏えいを防ぐためのソリューションが存在する。これらをうまく利用することで企業内のデータ漏えいを防ぐ管理ができるようになるだろう。

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