顧客の「嫌な記憶」を払しょくするコールセンターを――G-Force 2006
コンタクトセンター向けプラットフォームを提供する米Genesysは、米国ラスベガスにおいて同社の年次ユーザーカンファレンス「G-Force 2006」を開催した。
コンタクトセンター向けプラットフォームを提供する米Genesysは5月21日から、米国ラスベガスにおいて同社の年次ユーザーカンファレンス「G-Force 2006」を開催している。インターネット購買の増加などにより、企業のフロントエンドとしてのコンタクトセンターの役割が大きくなる中で、最新の構築手法とユーザー事例に触れるべく世界から1000人以上の参加者が集まった。日本からも野村證券やNEC、ネクストコムなど、ユーザーおよびパートナー企業が参加している。
基調講演を務めたウェス・ハイデンCEOは冒頭、「今年も業績は好調で、売り上げの20%を研究開発に投じている。また、4月にVoiceGenieを買収したことにより、VMXLベースの音声セルフサービス分野でも市場をリードできる」と切り出し、今後も順調なビジネスが期待できることをアピールしている。
同氏は、「恥ずかしい話」として自分の家庭でのエピソードを紹介した。ある手続きを済ませるため、コンタクトセンターに電話するよう妻に頼まれた際に、「コンタクトセンターに電話するのは嫌だ」とこたえてしまったという。当然、妻は「そんなことを言っては駄目、あなたはコンタクトセンターのソフトウェア会社で社長をしているのだから」と切り返したという。
ハイデン氏は、電話するのが嫌だと思った理由について考えた。その結果、「例外的であったとしても、嫌な思いをした時の記憶が残る傾向にある」ことに気付いた。
「エージェントはわたしのことをまったく理解していない、情報はあってもアクセスできていないようだ、エージェントごとに態度がまったく違う、といった記憶がめぐる。IVR(音声応答システム)から出られなくなった顧客もいるだろう。つまり、企業の中でインテグレーション(システム統合)の問題が起きているのだ。この例外的な悪い経験が起きないようにしたい。フラストレーションがあるということは改善の余地があることを意味する」(ハイデン氏)
コンタクトセンターの構築と運営に重要なポイントとして、「クオリティ」「コスト」「収益」の3大要素を最適化することが挙げられた。そして、運用に失敗している企業の典型例が、コンタクトセンターが部署ごとにサイロ化してしまう状況だという。
支店、業務委託先、センターのエージェント、営業部門など、部署ごとに電話対応がバラバラになっているわけだ。これでは、電話を掛けた顧客に待ち時間が発生したり、適切な担当者が対応できなかったりなど、顧客満足どころか、イライラさせてしまう可能性が高い。
ハイデン氏はそうした課題を、ルーティング機能やIVRなど、Genesysが提供するさまざまな機能によって解決できることを強調している。また、多くのユーザー企業が、Genesysのソフトウェアでそれらを実現していることについても触れた。
引き続き、G-Force 2006をリポートする。
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