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「BIはコモディティへ、差別化となる時代は終わる」とSAP:SAPPHIRE '06 Paris Report(2/2 ページ)
独SAPがBIに躍起だ。同社はビジネスによるイノベーションを実現するアーキテクチャ、Enterprise Service Architecture(ESA)を提唱しており、ビジネスユーザーのツールであるBIを組み込むことは、同社の戦略上重要だという。
現在のNetWeaverの検索機能は、非構造データにフォーカスしたものだが、今後は非構造、構造の両データを取り扱いできるようにする。
「検索市場に参入か?」という問いに対し、「ゲームとして検索市場に参入するのではない」と答えたシューベルト氏だが、「SAPの強みは、SAPの中にあるデータを理解できる点、ビジネスプロセス、ビジネスアクティビティのコンテクストに基づいた検索機能を配信できる点」と自信をのぞかせた。
だが、コンテキストに基づくといっても、プロセスレファレンスモデルを見てコンテクストを理解するようなことは一足飛びに実現できるものではない。現時点では、ビジネスプロセス専門家を必要とするが、BPMベンダーの独IDS Scheerなどと協業して、プロセス定義の段階から実現していくという。
BIベンダーは淘汰へ?
それでは、BI専業ベンダーは今後どうなるのか?――これに対し、ブカリー氏は、「BIはコモディティになる」と回答した。
ある技術がコモディティ化した場合、専業ベンダーはどこで価値を見いだせるのか? 「例えば、OLAPの場合は昔では差別化要因だったかもしれない。しかし、いまでは機能の一つとなった。BIも同じようなことが起こるだろう」とブカリー氏。今後、BI市場にはある程度の淘汰が起こるというのがSAPの予想のようだ。
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