いかにしてWebサイトに来てもらうか？：ゼロから始める中小企業IT化への道（2/2 ページ）

中小企業においても、自社サイトを持たない企業はまれな存在となった。しかし、誰にも知られないところで充実したサイトを作っていても意味がない。今回はどのようにしてサイトに訪れてもらうかの視点で見ていこう。

[伊嶋謙二，ITmedia]

イベント、ダイレクトメールでユーザー獲得

　そのほか、昔から行われている顧客の獲得法として考えられるのは、「イベント」「ダイレクトメール」などを利用する方法だろう。例えば、ダイレクトメールは手軽に多くの顧客にアピールできるのが特色と言える。ただし、企業に日々届くダイレクトメールは膨大な量になるので、目に止まることなく捨てられてしまう可能性もあるだけに、効果の期待度は薄い。

　セミナーやフェアなどのイベントは非常に有用な手段といえる。特定のイベントに来る顧客はそのテーマについて何かしらの興味を持ってきているのだから、働き掛けを行えばサイトの訪問者になる可能性は高い。イベントで得られた顧客と直接ビジネスに結び付かない場合でも、そのデータは貴重なものになるはずだ。

組み合わせが効果的な顧客獲得につながる

　顧客を自社のWebサイトへ誘う手段としては、以上のように大きく2つの方法が考えられる。この両方のアピール方法を行えるのがベストだが、それをできる企業は限られている。実際には、最低限のアクションとして、この中のいくつかに取り組むということになるだろう。その際にも、Webサイトを生かすために「できるところからやる」という姿勢が大切だ。

Webサイトを戦略的なツールとして活用するには

　戦略的なWebサイト活用を2回にわたって述べてきた。そのポイントは、顧客に魅力のある差別化されたコンテンツや企画を盛り込むということである。しかし、あくまでWebサイトは、リアルビジネスを盛り上げるためのものでしかない。つまり、コアビジネス自体に顧客にアピールできる要素がなければ、いくらサイトを盛り上げたところでビジネスにはならないのだ。だからこそ、リアルビジネスとサイトを上手に連動する方法を考えなければならない。そこのところを肝に銘じてITを活用すべきである。