創業116年の老舗商社がコンテンツを最大限に活用する日
創業116年の歴史を持つ老舗の住宅設備機材商社である橋本総業が、紙ベースで提供されていたコンテンツの電子化を実施。日本SGIとNECソフトが共同で受注したシステム上で効果的なマーケティングツールとして活用しようとしている。
日本SGIとNECソフト、住宅設備機材商社の橋本総業は6月27日、日本SGIとNECソフトが共同で受注したページめくり機能付き電子カタログシステムを、橋本総業が運営する家づくりとリフォームの支援ポータルサイト「e-設備ネット」の中で電子カタログの配信サービス「カタログ図書館」として提供を開始したと発表した。
この電子カタログシステムは、日本SGIの対話型リッチコンテンツ統合プレゼンテーションソリューション「VizImpress」をベースに、NECソフトと日本SGIが共同でシステムインテグレーションを行い、橋本総業に納入したもの。コンテンツの自動制作システム「VizImpress Designer」およびWeb配信システムが納入されている。
住宅設備機材商社が抱えていた悩み
これまで橋本総業では、住宅設備機器メーカーや管工機材メーカーなどが提供する紙ベースのカタログを多数用意し、工事の施工業者や機材の販売店への販促活動に活用していた。国内外約1300社の住宅設備機器メーカーや管工機材メーカーと取引があり、それぞれのメーカーで多種多様な製品のカタログが用意されているため、その量は数百冊にも上っていた。
当然、これらのカタログを実際に製品を利用する消費者にまで迅速に行き渡らせることが難しい状況にあったことは言うまでもない。
今回の発表は、紙ベースで提供されていたこれらのコンテンツを電子化し、Web配信機能を持つVizImpressを活用した電子カタログシステムとしたことで、住宅設備メーカーの悩みを解決し、かつ、ユーザーがWebブラウザ上でさまざまなメーカーの住宅設備を横断的に閲覧することを可能にしている。また、コンテンツが電子化されたことで、インターネット経由での配信だけでなく、展示会などでは大型高精細ディスプレイに表示したり、CD-ROMなどで配布したりすることも可能となった。なお、橋本総業では、VizImpress採用の理由について、商品の質感などを忠実に再現するために、VizImpressの高精細、高画質という高度な表示機能の特徴を評価したと話している。
橋本総業はコンテンツを配信するだけでなく、将来的にはマーケティングデータとしてログ情報などを解析することで、住宅設備機器メーカーなどに対し、製品の引き合い情報を市場動向のデータとして提供することを計画しているという。
日本SGIが常々口にしてきた「コンテンツの時代」だが、最近では「視せる化」という新たにキーワードがそこに加わっている(関連記事参照)。先月マツダが発表した「商談支援システム」と同様に、今回の発表はそうしたコンセプトが企業活動において体現されたものとして注目される。
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