変わるか ネット金融:Web2.0型金融ビジネスは成り立つか(2/2 ページ)
ライブドアショック、村上ショック…といった「事件」の連続で、株価の動きが不安定になっている。5年7カ月ぶりの最高値を記録した後は急降下。それもなんとか持ち直しつつあるが、先行きが明るいわけではない。当然、その影響はネット金融にも及んでいる。ただ、ネットの世界はWeb2.0という新たなステージが用意された。それは、ネット金融の世界にも変革をもたらし始めている――。
グループの中核会社であるGMOインターネットは一言でいうと、現在急拡大を続けるIT企業。ネット時代の黎明期から、ネットのインフラ提供という「裏」の部分でその発展を支えてきた。そのため、プロバイダーやドメイン、レンタルサーバー事業などを得意としている。ところが最近、買収などを急速に進めたこともあり、ブログやゲーム、検索エンジンなどネットの「表舞台」にも積極的に進出するようになった。ローンやクレジット事業なども手掛け始めた。いずれ、ヤフー、楽天…などに次いで大手ネット企業として名前が挙がっても不思議ではない状況にまできた。そのGMOインターネットが05年10月、とうとうネット証券を設立したのである。
グループの総帥、GMOインターネット代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏にとって、Web2.0は現時点における最大関心事である。GMOインターネット証券の開業について説明した4月の記者発表の場では、Web2.0の代名詞的存在として注目を集める米グーグルの「すごさ」を一生懸命説明し、GMOインターネット自身がその方向に向かおうとしていることを明らかにした。熱弁を振るうその姿は、5月に行われた06年第1四半期決算説明会の場でも見られた。ネット証券を始めるにあたっては、「ネット金融2.0」時代の幕開けだと力説している。「ナンバーワンにならないのであればやらない」と、その成功に強い自信も示している。
Web2.0時代に入り、ネット金融は新しいステージに入り始めようとしているのかもしれない。
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