IntelとAMDが繰り広げる省電力競争の盲点とは?(3/3 ページ)
プロセッサの開発競争は、その戦いの場を「消費電力当たりの性能」へと完全に変えてきている。しかし、IBMによれば、プロセッサの消費電力がサーバ全体のそれに占める割合は、30%に過ぎないという。
追い上げるHewlett-Packardを抑え、IBMがブレードサーバ市場で2003年第3四半期以来、11四半期連続で首位を維持している背景には、BladeCenterにおけるイノベーションがあるとダガティー氏は話す。AC-DC変換の効率を高めたり、電力を消費する部品の数を減らしたり、地味だがそれがライバルたちと大きな差別化につながっている。
ダガティー氏は、「BladeCenter HS20が2基のホットスワップ可能なファンを共有するのに対して、HPのBladeSystem BL20pではサーバ当たり8基、全体では112基のファンが必要だ」と主張する。
こうした省電力化に向けたイノベーションが効き、Xeonを72CPU搭載したシステム構成では、BladeCenter HS20の方がBladeSystem BL20p G3よりも25%消費電力が少なく、Opteronの72CPU構成ではさらにその差が拡大し、BladeCenter LS20の方がBladeSystem BL25pより44%も少なくなるという。
しかも、2002年秋にリリースした最初のBladeCenter以来、IBMはブレードの互換性は一貫して維持している。
ダガティー氏は、「HPのBladeSystemでは新しいシャーシー向けにパートナーらも作り直しになってしまう。Dellに存在感はないし、Sunもブレードに力を入れたり入れなかったりだ」と話し、IBMのブレード市場における優位は動かないとした。
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