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LTOテクノロジー、メカ部分の秘密バックアップストレージ図鑑(1/3 ページ)

テープレイアウトやデータ書き込み技術など、LTOフォーマットに関わる技術を簡単に紹介したが、今回はLTO製品のメカ部分や制御技術に焦点を当てたいと思う。

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本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「最新テクノロジーで効率化! 今どきのバックアップ入門」でご覧になれます。


 LTO製品は、「さまざまな技術の長所を集約したオープンフォーマット技術」であると前回説明した。DLT製品などほかの技術で経験した不具合を学び、LTO製品ではそれを克服している。それだけでなく故障モード影響解析(FMEA)などの解析方法を使い、発生の可能性があるフェイルモードを予測し、事前に防止する設計を行っている。

 ここでは、HP製のLTOフルハイトドライブを実例として、LTOメカニズムを見ていこう。


HP製LTOフルハイトドライブ

HP Loadメカニズム

 HPでは、特許を取得している独自のリーダースレッディング方式を採用し、信頼度の高いLTO製品を開発している。下図にあるのが、HPドライブで使われているリーダー連結部となる。リーダーブロックと呼ばれる硬いプラスチック製の部品が、鋼製のカートリッジリーダーピンと確実にスナップするようになっている。テープカートリッジがドライブに挿入された後、このカプラーメカニズムがリーダーブロックを回転させ、リーダーピンを確実に捕える。


HP製リーダーカプラーメカニズム

 信頼性を確実にするために、このテープ装着プロセスには複数の冗長機能が使われている。これにより、リーダーブロックだけがメカにのみこまれて動作が異常終了するような、潜在的フェイルモードの可能性を取り除いている。

 リーダーカプラーメカニズムには、2つのメカニカルインターロックがあり、リーダーピンがきちんとスナップされたときにだけ動作するようになっている。このため、リーダーピンが正しい位置でスナップされる前に、リーダーブロックをドライブ内へ巻き取っていくことは物理的に不可能にしている。

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