海洋研究開発機構が国内最大級のItanium 2システムを稼働
日本SGIは、海洋研究開発機構にItanium 2プロセッサ9000番台を1280CPU搭載する超並列サーバを納入、稼働を開始したことを発表した。国内のItanium 2 プロセッサ9000番台導入事例では最大規模。
日本SGIは9月5日、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の汎用並列計算機システムとして、最新のItanium 2プロセッサ9000番台を1280CPU(2560コア)搭載した超並列Linuxサーバ「SGI Altix 4700」を納入、9月1日より稼働を開始したことを明らかにした。国内におけるItanium 2 プロセッサ9000番台の導入事例としては最大規模。
今回納入された汎用並列計算機システムは、Itanium 2 プロセッサ9000番台を1280CPU、メインメモリが3Tバイトの大規模共有メモリ型の超並列サーバ。OSにはSUSE LINUX Enterprise Serverを採用、高速磁気ディスクアレイシステムと大容量テープ保存装置の合計で約700Tバイトのデータ容量を持つ。
プロセッサの数で見ると、日本原子力研究所に納入した2048CPU構成のシステムがあるが(関連記事参照)、理論演算性能で見ると、日本原子力研究所のシステムが13TFLOPSであるのに対し、海洋研究開発機構のそれは16.3TFLOPSとなっており、日本SGIが納入したシステムの中では国内最大規模であると言える。なお、16.3TFLOPSという性能は国内で第5位に相当する。
海洋研究開発機構といえば、その施設内に地球シミュレータが存在していることでも知られる。今回納入された新システムは、高分解能数値シミュレーション、地震波波動解析、流体計算などのシミュレーションをはじめ、さまざまな汎用データ処理や解析などで利用される予定だが、一方で地球シミュレータとの連携も期待されている。
海洋研究開発機構、計算システム計画・運用部システム運用グループのグループリーダーである島田敏明氏は今回のシステムについて次のように語っている。
「従来のシステムに比べ、40倍近くの理論演算性能を持つ共有メモリ型スカラーシステムに対する期待は大きい。また、地球シミュレータで走行させる大規模シミュレーション用の細かなメッシュを生成する前処理に利用するなど、地球シミュレータとの連携も期待できる」
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