特集
SOAの難しい課題を解決するポイント:動き出したSOAのいま(5/5 ページ)
前回は「SOAの可能性」について述べた。しかし、実際に導入検討を行う場合には必ず課題が出てくるもの。そこで、どのような課題あるのか、そして、採るべき方策は何かについて考えてみよう。
サービスの粒度を検討する際のヒント
具体的には、次のような点をヒントにサービスの粒度を検討することが推奨される。
- 業務上の1つの処理を1つのサービスと考える。プログラム上の部品ではなく、例えば「決済処理」「在庫照会処理」などの単位で1つのサービスとする。
- 独立して機能するシステムを1つのサービスと考える。例えば、顧客情報システム、在庫管理システム、座席予約システムをそれ単体を1つのサービスとする。
- ERPや業務パッケージソフトウェアの構成を参考にする。ERPや業務パッケージソフトウェアはモジュール化されているので、モジュール単位をサービスと考え、自社システムと比較する。
ステップ4:管理・監視
サービスを管理手続きに沿って継続して運用していかなければならない。SOAは通常、段階を踏んで導入される。より難易度の高いサービスの開発、一部のシステムから全社のシステムへと適用範囲の拡大、信頼性の向上などを実行していく。またサービス化した部分の効果の測定と問題点の把握、改善なども必要となる。
このステップを実行しないと、SOAは局所的な導入で終わる可能性が高く、本来の目的である業務処理の変化をシステムの変更に素早く反映させたいという需要に応えることができなくなってしまう。またSOAに関する技術や標準化は今後も進化を続けていくので、継続した情報収集も必要となる。
SOAの課題を解決して、実践するにはこれらのステップを踏むべきである。特にステップ2とステップ4は技術的な要素だけでなく組織的な要素を多く含むために敬遠されがちであるが、この2つのステップが実際のプロジェクトの成功を大きく左右する。よって次回は、必要な組織体制と必要となる人材・スキルに関して説明したい。
関連記事
- SOA成功へのステップ
Googleで検索すると「SOA」で1億2100万件、「Service Oriented Architecture」でも8490万件がヒットする。流行の「Web2.0」でもヒット数は3500万件にとどまっており、ここからも、SOAがいかに関心を集めるキーワードであるかが分かる。 - ソニー生命と出光の事例で垣間見えるSOAの本質
- コンサルタントに聞くSOAの手触り
- Web 2.0とSOAの遠いようで近い関係
- SOAは導入も実装も維持も難しいことを肝に命じよう――米Gartnerのアナリスト
- 動き出したSOAのいま
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.