ソフトバンク登壇! 「ケータイキャリア三国志」の舞台に:ケータイルネサンスは起こるか 第1回(2/2 ページ)
10月1日、ボーダフォンはソフトバンクに変わる。これで、「ケータイキャリア三国志」の一国が入れ替わる。ただ、そのときを待たずして、三国それぞれに絡む役者も登場してきた。「三国志」の筋書きは、すでに変わりつつある――。
キャリア三つ巴の戦いにポータルも絡む
ボーダフォンの新社名は「ソフトバンクモバイル」。10月以降のサービス名には、「ソフトバンク/SoftBank」の名あるいは「S!」といったロゴが付く。唯一、インターネットサービス名「Vodafone live!」だけは、「Yahoo! ケータイ」と、ヤフーの名が入ることになる。
その「前説」は、すでに始まっている。7月4日から、「Vodafone live!」のトップページのトップメニューに「Yahoo! JAPAN」の文字が入ったのだ。つまり、「Vodafone live!」につなげば、一番目に付くところにヤフー(Yahoo! モバイル)への入り口が待ち受けるようになったのである。
「『Yahoo! JAPAN』という一行を入れたその日に、ボーダフォンからヤフー(モバイル)へのアクセスが一気に6倍になりました。携帯電話を使って、インターネットへアクセスしたりコンテンツを見ることが、いかに今まで不便であったことかと(いうことです)。これからは、もっともっと使いやすくし、ヤフーが持っているコンテンツを携帯電話(の世界)に融合させていく。そういうことを今、準備中でございます」と、孫氏は力説した。
「準備中」とされているものの一つは、「Yahoo! ケータイボタン」の設置だ。これは、端末に専用のボタンを設け、そこを押せばそのままヤフーのサービス画面につながるというものである。10月1日から正式にサービスインとなる。「iモード」も「EZWeb」も、まだボタン一つでダイレクトにインターネットにつながるような仕組みになっていないことを考えると、画期的な試みといえる。
こうしたことは、要するにヤフーが、「Yahoo! ケータイ」という一キャリアのインターネットポータルとして独占的なポジションに就いたことを示している。このことが、とりわけPCインターネットのポータルの競合らを「三国志」の戦いへ扇動することになったのである(発売中の「月刊アイティセレクト」10月号第1特集「ケータイビジネスの地殻変動を追う! ケータイルネサンスは起こるか」より)。
関連記事
- 「Yahoo! ケータイ」誕生に慌てたか――グーグル、au、ドコモ
ボーダフォンにおける「Yahoo! ケータイ」の誕生は、PCインターネットのポータルの競合らを「ケータイキャリア三国志」の戦いへ駆り立てることになった。当然、彼らがタッグを組むのは、KDDI(au)やNTTドコモである――。 - ヤフー、グーグルらのケータイ進出 成否のカギは
ボーダフォンにおける「Yahoo! ケータイ」の誕生、「EZWeb」(au、KDDI)画面最上部におけるグーグル(Googleモバイル)の検索窓の出現、「iモード」(NTTドコモ)で10月から始まる検索サービスとそれに参加する複数の検索サイト…検索サイトのケータイ進出が相次ぐ背景にあるものは――。 - ヤフー、グーグルらの技術はケータイで通用しない!?
ヤフーやグーグルといったPCインターネットの世界の検索サイトの雄がケータイ進出に力を入れている。だが、ケータイの世界ではそれに見合った検索技術が求められると考えられている。とすると…PCの世界での巨人は、ケータイの世界でも同じポジションにいられるとは限らないかもしれない……。 - もはやジレンマの「種」!? 「Yahoo! コンテンツストア」の未来
MNPを見据えて先手を打ったのはヤフー。「Yahoo! コンテンツストア」は画期的な試みとして注目を浴びた。しかし、ここにきてそのビジネスモデルに矛盾が生じ始めてきたと見る向きがある。その根拠は、「Yahoo! ケータイ」の誕生にあった――。 - コンテンツポータビリティの未来とケータイ業界垂直統合モデルの可能性
その存在意義に疑問を投げかけられた「Yahoo! コンテンツストア」は、新たな方向性を模索している。果たして、その先に見ているものは――。また、ヤフーやグーグルなどのPCインターネットの巨人と手を組み、泰然自若せんとする3キャリア。果たして「キャリア主導の王国」は安泰か――。 - 日本テレコムが社名変更、「ソフトバンクテレコム」へ
- ソフトバンクが獲得した「携帯電話ビジネスのプロ」
ボーダフォンの新執行役副社長に、クアルコムの松本徹三氏が内定した。日本の携帯電話メーカーはもっと国際競争力を得なくてはならない、と説く松本氏を得たことは、ソフトバンクにとって大きな意味がある。 - ニュース「朝から晩まで携帯のことで頭がいっぱいだ」──ソフトバンク孫社長
ソフトバンクの孫正義社長は、2006年度第1四半期の決算発表会見で、携帯電話事業の説明に多くの時間を割いた。自ら率先して携帯事業を推進している様子が発言の隅々から伺えた。 - 番号ポータビリティ開始、10月24日から──NHK報道
- Yahoo! Japanはソフトバンクと何を目指すのか――ヤフーに聞く
3キャリア合わせて月間14億ページビューを誇るYahoo! Japanモバイル。ボーダフォンを買収したソフトバンクとヤフーはどのように連携・融合するのか? “キャリアの内輪”に入ったヤフーに、今後の戦略を聞いていく。 - 10月1日、「ボーダフォンライブ!」は「Yahoo!ケータイ」に
Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.