ベールを脱いだマイクロソフトの次世代サーバOS――Windows Server "Longhorn" の注目新機能 第1回:Windows Server 徹底活用(2/2 ページ)
Windows Server 2003の後継となる最新サーバOS、Windows Server "Longhorn"のベータ2版が公開された。特に、サーバ管理者がシステムを運用しやすくする多くの管理機能が追加されている。ここでは、強化、または新しく搭載された多くの機能のうち、特に注目したい新機能を3回に分けて紹介する。
サーバの容易なセットアップを支援する「ICT」
サーバコンピュータにLonghornをセットアップした直後、サーバ管理者が初めて操作するのが「ICT」(Initial Configuration Tasks=初期構成タスク)である。
ICTでは、Administratorのアカウント名とパスワード、ネットワーク設定、コンピュータ名やドメインに関する情報などの項目を設定する。これらはWindows Server 2003以前はOSのセットアップ時に入力していたものだが、入力する内容が決まっていなかった場合、セットアップ作業はそこで止まったままの状態になってしまっていた。そこでLonghornでは、セットアップ時に入力していたコンピュータの初期設定情報をICTへ移動し、セットアップ時に作業が中断することをなくしている。これにより、Longhornのセットアップは、プロダクトキーの情報やディスクの構成情報、使用許諾契約書への同意などの最低限の入力項目だけに絞られている。
また、ICTでは、Windows Server 2003 SP1で導入されたセットアップ後の「セキュリティ更新」(PSSU)を置き換える機能も含まれている。ここでは、Windows Updateの有効/無効の切り替え、情報のフィードバックなどの設定を行う。
さらに、コンピュータの情報やセキュリティ更新に関する設定を行ったのち、サーバマネージャを使わずに、サーバの役割や機能を追加することもできる。ここでは、リモートデスクトップの有効/無効を切り替えたり、Windowsファイアウォールの設定を行ったりすることもできる。設定した情報の内容はそのままディスクに保存できるほか、印刷やメール送信も可能だ。
新しいサーバの構成タスクを完了するために必要な操作項目が一元化されたICTは、サーバ管理者の負担を軽減するために、大いに役立つ新機能と言えるだろう。
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