特集
SOAを実現しやすくする組織と人材:動き出したSOAのいま(3/3 ページ)
システムの全体最適化やシステム連携によって、ビジネスに俊敏性をもたらすSOA。それを支えるシステムを運用するのは、ハードでもソフトでもなく「人」なのである。
ビジネス/技術両面に精通した人材を
COEのメンバーには、ビジネス/テクニカル両面のスキルを持った人物が必要となる。具体的には、以下のようなスキルを持ったメンバーである。
- 経営ビジョンとITビジョンへの理解
- 既存の業務プロセスへの理解
- ビジネスモデリングのスキル
- プロジェクト管理のスキル
- 既存システムへの理解
- オブジェクト指向やJ2EEなどのテクニカルな知識
もちろん、基礎的なスキルとしてロジカルシンキングやチームワーク、コミュニケーションなどのスキルが必要なことはいうまでもない。また、COEの配下の開発チームはポータル、ERP(統合業務パッケージ)、業務システム開発、データベース、サーバやストレージなどの各分野のテクニカルスキルを持ったエンジニアが必要となる。さらに、システム監査やセキュリティ、パフォーマンステストなどのスキルや経験者も必要だろう。
COEや開発チームに必要な人材のスキル定義として、経済産業省より2006年6月に公表された「情報システムユーザースキル標準(UISS:Users’ Information Systems Skill Standards)」を参考とすることをお勧めする。これは、3年前に公表されたITSS(ITスキル標準)をベースに、ユーザー企業用に改良されたものである。今回公開されたUISSは、バージョン1.0ということで完成度がまだ十分ではないが、今後は導入・活用ガイドや研修ロードマップが整備されることになっている。
これまで3回にわたり、SOAの可能性と課題について説明してきた。読者が今後SOAを実践する上でこれらの記事が少しでも参考になれば幸いである。
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