Zuneが成功すれば、Windows Media Playerの開発は縮小?(2/2 ページ)
デジタルメディア機能の重複により、Microsoftは将来、複数のデジタルメディアインタフェースをすべて開発し続けるかどうかは不明だ。特に、Zune PCソフトウェアの新機能の追加を、Windows Media Playerよりも速いペースで進めるかもしれない。
また、Microsoftは、Zune MarketplaceをZuneソフトウェアとセットで設計したため、コンテンツの購入も容易だ。例えば、ユーザーはほかのユーザーから転送された曲に「フラグ」を立て、後でその曲を1回のマウスクリックで購入できる。Windows Media Playerでは、ユーザーはストアを選択しなければならなかった。ストアはそれぞれユーザーインタフェースが異なり、中にはWindows Media Playerとの連携が悪いストアもあった。
複数のデジタルメディアインタフェースが招く混乱
しかし、Microsoftのデジタルメディアクライアントがもう1つ増えることは、混乱を招く恐れもある。Media Centerインタフェースを含むバージョンのWindowsでは特にそうだ。例えば、ユーザーが音楽CDを挿入すると、Windows(またはエンドユーザー)は、ユーザーが曲をリッピングしてZuneデバイスに転送できるように、Zuneソフトウェアを起動すべきか、あるいはユーザーがリモコンでCDを聴けるように、Media Centerインタフェースを起動すべきかを判断しなければならない。
デジタルメディア機能の重複を考えると、Microsoftが将来も3つのデジタルメディアインタフェースをすべて開発し続けるかどうかは不明だ。特に、MicrosoftはZune PCソフトウェアの新機能の追加を、Windows Media Playerよりも速いペースで進めるかもしれない。Zuneが成功すれば、Windows Media Playerの開発は縮小される可能性もある。
Microsoftが先ごろ実施した組織体制の変更は、現在同社が何を優先しているかを示唆している。2006年初めに、Windows Mediaプラットフォームの統括部門はWindows部門から、Zuneも担当するエンターテインメント&デバイス部門に変わった。同プラットフォームに取り組んでいたスタッフの多くは、現在Zuneチームで働いている。
関連記事
- iPod対抗「Zune」の詳細が明らかに――Microsoft、スペックを公開
AppleのiPodに対抗するMicrosoft「Zune」の詳細がついに公開された。容量は30Gバイト、米国での発売は年末になる見通しだ。同時にiTunes Store対抗の音楽ストア「Zune Marketplace」を立ち上げる。 - 奪えないiPod/iTMSの市場シェア、Zuneの突破口はどこに?
Microsoftはデジタルメディア製品/サービスの新ブランド「Zune」を立ち上げる。Zuneの第1弾となる携帯オーディオ/ビデオプレーヤーとオンラインストアが2006年中に登場する予定だ。 - Microsoftの新体制は今どうなっているのか?――コンシューマー分野編
Microsoftはオンラインサービスから撤退することも、Yahoo!などの大手競合を獲得することもしないが、利益を生むビジネスになるまで投資を続けることを明言している。また、Xbox事業は2008年度には黒字化が見込めるが、Zuneは当面赤字でのスタートになる。 - 絶好調のWindowsクライアント部門と収益を圧迫するXbox/MSN
Microsoftの2006年度第4四半期は、複数年ライセンス契約の好調な販売により、前受収益が大幅に拡大した。その一方で、ホーム&エンターテイメント部門およびMSN部門の経費が、堅調な収益を圧迫することになった。
関連リンク
Copyright(C) 2007, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. All right reserved. No part of this magazine may be reproduced, stored in a retrieval system, or transmitted in any form or by any means without prior written permission. ISSN 1077-4394. Redmond Communications Inc. is an independent publisher and is in no way affiliated with or endorsed by Microsoft Corporation. Directions on Microsoft reviews and analyzes industry news based on information obtained from sources generally available to the public and from industry contacts. While we consider these sources to be reliable, we cannot guarantee their accuracy. Readers assume full responsibility for any use made of the information contained herein. Throughout this magazine, trademark names are used. Rather than place a trademark symbol at every occurrence, we hereby state that we are using the names only in an editorial fashion with no intention of infringement of the trademark.