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【SOA最新動向】規格編――SOA参照モデルがITに与える影響動き出したSOAのいま(2/3 ページ)

コスト削減、内部統制、セキュリティ……取り組むべき課題の多いユーザー企業にとって、SOAは後回しにしがちなテーマだ。だが、関連規格の標準化は進み、SOAに対応できる環境が着々と整備されていることにも目を向けてほしい。

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ユーザーにとってSOAは後回し?

 OASISのTCの活動をみてみると、実は前述のリファレンスモデル以外では、OASIS Framework for Web Services Implementation(FWSI)TCが「Functional Elements Specification 2.0, Committee Draft」という文書を今年9月21日に発表しているが、それ以外のTCでは2005年末以降は特に公式な文書などの発表は行われていない。その点からも、SOAに関しては現時点で特に動きが活発という印象は受けず、むしろやや一段落した感があるのは否めない。

 ユーザー企業に関しては、断片的に話を聞く限りでは、SOAはいずれ対応することは間違いないにしても、現時点での最優先課題というほどの位置づけでもない、という声が多いように感じている。

 ITに関しては、コスト削減の要求は強く、従来のサイロ型のシステムをリース切れなどの更新のタイミングで統合する、いわゆる「コンソリデーション」の動きが広がりつつある。そして、統合したシステムリソースの上で実行する処理として、「従来型の大規模アプリケーションよりもSOAなどのモジュール化されたソフトウェアを」という意識はあるものの、実際にはアプリケーションの再構築にまでは踏み込まず、ハードウェアプラットフォームの統合化のみを先行して実施しているという段階にとどめている企業の例が多いように見受けられる。

 現在、ソフトウェア面でユーザー企業がもっとも気にしているのは、SOX法対応を含めた統制の強化や、情報漏えいなどに対応するためのセキュリティ強化といった方向だ。SOAについても、分断されたシステムをSOAに基づいて再構築する過程で風通しがよく統制しやすいシステムを実現できるというメッセージはあるが、現実にはまだ後回しにされているのが実情のようだ。

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