【SOA最新動向】規格編――SOA参照モデルがITに与える影響:動き出したSOAのいま(3/3 ページ)
コスト削減、内部統制、セキュリティ……取り組むべき課題の多いユーザー企業にとって、SOAは後回しにしがちなテーマだ。だが、関連規格の標準化は進み、SOAに対応できる環境が着々と整備されていることにも目を向けてほしい。
言語仕様はBPELに一本化の動き
ビジネスプロセスのフローを記述し、複数のサービスを順次起動していくための記述言語「BPEL(Business Process Execution Language)」は、SOAを現実的なソリューションとして活用する上で不可欠な要素となる。サービスの連携のためのインタフェース技術としては、Webサービスの技術要素であるSOAP、WSDL、UDDIなどがあれば十分ともいえるが、複数のサービスを順次呼び出す場合や、さらにあるサービスの実行結果に応じて次に呼び出すサービスを変更したりする場合には、こうした処理の流れを別途記述できる言語や環境が必要になる。
もちろん、アプリケーション側で独自機能として実装することも可能ではあるが、現状では標準規格に基づいて実装しようとするのが主流であり、標準候補としてBPELが最有力となっている。これまでも同様の狙いの言語仕様は複数存在していたが、現在ではOASISで標準化作業が進められているBPEL4WS(Business Process Execution Language for Web Services)にほぼ一本化されているとみてよい状況だ。
そのBPEL4WSだが、現在は「WS-BPEL(OASIS Web Services Business Process Execution Language)」となっており、2.0の仕様が今年9月10日にパブリックレビューとして公開された。レビューは11月9日に終了する予定であり、そこで集まったコメントに対する対応作業が完了すれば、2.0仕様が確定することになる。実際にWS-BPEL 2.0が製品に組み込まれて市場に投入されるのは、2007年以降になると思われる。
現在はやや停滞感も漂うSOA市場だが、次の企業内ITシステムの大きなテーマとなることは間違いない。初期の技術主導の段階から環境整備が着々と進行する段階に移っていることもあり、2007年以降SOAに対応するユーザー企業も徐々に増えてくるのではないだろうか。
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