ピンチをチャンスに変えてきたCitrix、十億ドル企業の仲間入りへ:Interview(2/2 ページ)
Citrixは、幾度の難しい時期を乗り越え、いよいよ今年、十億ドル企業の仲間入りを果たす。ピンチをチャンスに変えて成長を遂げてきた同社のマーク・テンプルトン社長兼CEOに話を聞いた。
ビジョンを示し、自ら変革をリード
ITmedia 技術や製品を拡大するにあたって、CEOとしてCitrixという組織をどのように変革してきたのでしょうか。
テンプルトン Citrixはまだ変化の途上にあります。それは終わることがありません。
変革のための第一歩は、将来どんな会社になっていたいのか、というビジョンを従業員やパートナーに説明することであり、次はその目標を達成するために一緒にやろうとお願いすることです。これは工場のスーパーバイザーだった父から学んだのですが、チームに何をやるべきかを教え、腕まくりをして自ら模範を見せることも経営者には必要です。
また、勇気を持って継続すること、間違ったときにはそれを認める勇気も必要です。
わたし自身もCitrixもリーダー、あるいは企業として、常に学んでいる存在でありたいと思います。
アプリの可視化ではさらなる買収も検討
ITmedia アプリケーション・デリバリー・インフラストラクチャーの完成に向け、次はどのような手を打っていきますか。
テンプルトン アプリケーション・デリバリー・インフラストラクチャーの中核的な機能は、すでにそろったと考えています。今後は買収によって獲得した技術や製品をさらに強化しながら単一のプラットフォームとして統合していくことに取り組んでいきますが、アプリケーションのプロビジョニングや、パフォーマンスなどをエンドユーザーの視点で監視・管理し、ユーザー体験を把握する「アプリケーションの可視化」という領域では、さらなる技術や製品の買収が必要になるかもしれません。
ITmedia 現在のところ、完成度はどこまできていますか。
テンプルトン これまでも長い道のりでしたが、まだまだ先も長いです。インフラストラクチャーの柔軟性、多機能性、管理性を高めるなど、運用面をサポートする機能の拡充も重要で、やらなければならないことはたくさんあります。
われわれは世界18万社に上る顧客への義務を果たすことに重きを置いています。「ダイナミック・ワールド」の変化を、顧客らにとってマイナスではなくプラスに変えられるような技術や製品を提供していきたいと思います。
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