Windowsと無線LANの連携、カギを握るのは人間関係?:無線LAN“再構築”プラン(4/4 ページ)
WindowsログオンもLANの認証も、1度で済ませたい――。Active Directoryと無線LANとを連携させればシングルサインオンも可能だが、むしろそうしないと管理者にとって面倒なことが起きる。
本当に必要なのはヒューマンコミュニケーション
今回はちょっと難しい話になってしまった。あれこれ述べてきた課題はあるわけだが、Windowsの仕様を理解し、PC、Windows Serverの認証サービス、ADそれぞれに必要な設定を行っていけば問題なく動作させることが可能だ。
実のところ、最大の問題となるのは技術的な課題ではなく、人的・組織的な障壁かもしれない。というのも、無線LANはその名称のとおりLANの一部だ。その導入や運用はネットワークを管理する部門によって行われる。ところが、ADはPCやサーバ管理のカテゴリーに属する。企業の中ではネットワーク管理とは担当部門が違うことも珍しくない。当然、構築したシステムインテグレーターも異なる。
こうなると障害が生じた際、解決のための切り分け作業や情報共有が円滑に進まない恐れがあることは、少しでも情報システムの構築にかかわった経験のある方なら理解できると思う。導入や運用に伴うリスクを増大させないために、関係者間での事前の意識合わせが欠かせない。
結局のところ、快適な無線LAN環境を実現する上でカギを握るのは、ネットワーク機器や端末、サーバ間の接続性よりも、IT管理者の間のコミュニケーションといえるかもしれない。
大水祐一
NTTコミュニケーションズ システムエンジニアリング部 主査。企業向け無線LANの設計に従事。無線LAN対応携帯電話の登場でモバイルセントレックスの案件が相次ぎ、安定した音質確保のための設計技法確立を思案する日々。
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