Blue Coat、WAN高速化やセキュリティ機能をクライアントソフトとして発表
ブルーコートは、WAN高速化、セキュリティなどのアプリケーションデリバリー機能をソフトウェアで提供する「Blue Coat SG Client」を発表した。製品のリリースは2007年4月ごろとなる見込み。
Blue Coat Systemsは12月1日、タイのプーケットで開催された「ASIA PACIFIC PRESS CONFERENCE 2006」において、リモートエンドポイント(デバイス)環境下におけるWAN高速化、セキュリティなどのアプリケーションデリバリー機能をソフトウェアで提供する「Blue Coat SG Client」を発表した。製品のリリースは2007年4月ごろとなる見込み。
同社はこれまで、本支店間などの遠隔地のオフィス向けのアプリケーションデリバリーソリューションをSGシリーズとして提供しているが、これがラップトップPCやモバイル機器にまで拡張されたもの。これにより、ポリシーベースのセキュリティ機能やWAN高速化技術の恩恵をどの環境下からでも享受できることになる。ソフトウェアとして提供され、ユーザーは簡単な操作でデプロイが行える。現時点では価格体系などは未定だが、1ユーザー当たりの課金になるとみられる。また、OSの対応については、まずはWindows版、その後Linux、Mac OS X、Symbianなどへの対応を図っていくという。
同社ではユーザーとアプリケーションの間をコントロールポイントと定義しており、そこでオブジェクトキャッシングなどWAN高速化のための各技術の集合体である「MACH 5」のようなテクノロジー(関連記事参照)を用いてアプリケーションデリバリーの実現に欠かせないコントロールを行うことを考えている。この考えに沿って、2006年1月にPermeoを買収。その技術をベースとするSSL-VPNアプライアンスとして「Blue Coat RA」を8月に発売している。SG ClientはこのBlue Coat RAやProxySGシリーズと対となる形で提供されることになる。なお、今後の予定としてSSL-VPNの機能がProxySGシリーズへマージされる可能性も示した。
同社のワールドワイドマーケティングのバイスプレジデント、スティーブ・ムラニー氏は、企業のITシステムにおける機能の多くがASPなどのサービスモデルで提供されるようになったことと、企業がグローバル化する中でSOX法対応など法規制の観点から各地に分散していたサーバを本社側やデータセンターに集約させようとしている動向を紹介、一方で、モバイル環境に代表される社外からのアクセスは急増している矛盾を指摘する。「(企業の)80%のユーザーは企業の外にいる」(ムラニー氏)
しかし、CIFSのように元来LANでの利用を想定して作られていたプロトコルをWAN越しに動作させることは非常に効率が悪く、帯域の拡充で解決できる問題でもない。ユーザーとアプリケーションの間を高速かつセキュアにつなぐことを可能にするアプリケーションデリバリ製品はほかのベンダーでは提供していないとして自社のソリューションが今後も有望であると述べた。
そんな同社は、かつての競合でもあった業界第2位のNetCache事業を9月に買収したことで(関連記事)、70〜75%のシェアを獲得するなど躍進が続いているが、アジア地域における同社の具体的な数字についてセールスバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのマット・ヤング氏が言及した。同社の売り上げにおけるアジア地域の売り上げは、直近の第2四半期で14%に達しており、第1四半期、第21四半期ともに10%に迫る成長率を記録している。なお、アジア地域における約50%が日本での売り上げだ。この成長を止めないためにも、人員の増員を図るとともに、3カ月以内にジャカルタ、メルボルン、ムンバイに新たなオフィスを設立する予定であることを明かし、アジア地域のコミットを約束した。
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