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通信状態が目で見える安心――「可視光通信」:次世代ITを支える日本の「研究室」(3/3 ページ)
屋内の照明機器、テレビ画面、そして街角の信号機、ネオンサイン――。身近にあるさまざまな光源が、そのまま通信デバイスとなる可視光通信。その実用化に向けたNECの取り組みを紹介する。
ユビキタス社会のインフラを担うテクノロジー
今後、可視光通信が普及するための課題は何だろう? 鈴木氏は以下の3つを挙げる。
「まずは、通信の高速化。現状のLEDを使った単純な振幅変調(光源の点滅)では数10Mbpsレベルまでの高速化が可能。今後、ギガビットクラスのブロードバンド化を目指すためには、変調方式の工夫と高速化に対応した受光素子の開発が必要となる。そして、照明・伝送兼用装置を普及させるためには、白色LEDの大型化と量産化によるコストダウンも不可欠だ。さらに制度上の課題としては、技術の標準化。現在VLCCでは、1、2年後をメドに急ピッチで標準化作業が進められている。これがいずれは世界標準なるだろう」
また、上坂氏は「可視光通信は、屋内、屋外を問わず身の回りにあるすべての人工光源を情報の発信源にしてしまう可能性を秘めた技術。ビジネス向けの用途に限らず、携帯電話のカメラでも情報を受信できるので、エンターテインメント分野での用途も拡大するはず」と別の活用方法についても語る。
近い将来には、人が街中に点在する照明や表示用の光源を見つけては携帯電話のカメラをかざす光景を至る所で目撃するかもしれない。可視光通信は、まさに究極のユビキタス社会を実現するキーテクノロジーといえるだろう。
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