米IBMは1月26日、Web上で身元など自分の個人情報を隠すことができるソフトウェア「Identity Mixer」を開発したと発表した。同ソフトはスイスのチューリッヒにあるIBM研究所で開発されたもので、インターネットで商品やサービスを購入する際、自分のIDを隠すことを可能にする。
オンラインで音楽をダウンロードしたり、ニュースレターを有料購読する場合、消費者は個人情報とともに購入の規模、頻度、購入先などの情報をWeb上に残すことになり、これらをたどればユーザーに行き着くことができる。Identity Mixerでは、偽名などの偽情報を使ってこの形跡を消し、たどれないようにする。例えば、クレジットカード番号を公開しないまま、オンラインショッピングができるようになる。また銀行口座の残高を教えなくても使用可能な上限を知らせたり、誕生日を入力しなくても成人であることを立証することが可能になる。
Identity Mixerでは、ユーザーは匿名のデジタル信用証明を、銀行や政府機関などの信用機関から受け取る。デジタル信用証明には、クレジットカード番号などが含まれている。オンラインショッピングをする場合は、店舗側にIdentity Mixerが封印した情報が送られ、本当のカード番号は店舗側に知らされない。
関連記事
- ディスカウント小売りチェーンで大規模な顧客情報流出
- 情報管理の重要性が認知され始めた――ITRCが2006年を総括
- 米国のネットバンキング、セキュリティ不安で伸び悩み
eMarketerの予想によれば、米国のオンラインバンキング利用世帯は2010年の時点で62%となり、2006年の58%に比べて伸びは4%にとどまる見通しだ。 - セキュリティソフトが年末商戦の信頼回復に一助
昨年よりもオンラインショッピングの量を増やしたというユーザーは38%。半面、30%はセキュリティ上の不安からオンラインでの買い物を減らした、あるいは完全にやめたと回答した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.