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キーワード検索の限界を打ち破るタイムトラベル検索よく効くエンタープライズサーチの処方箋(3/3 ページ)

インターネット検索に比べ、エンタープライズ検索に求められる条件は大きく異なる。一般的なキーワード検索での絞り込み技術にも限界があるという。それは、過去のある時点の状態を再現した検索が必要になったときだ。

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過去情報にも責任を持って保管する要求が高まる

 では、なぜ過去にさかのぼった検索が必要なのか? その大きな理由は、あるキーワードについて、昔のランキングに存在したある情報を探したいと思っていても、ビジネス環境に大きな変化があり、現在のランキングでは価値が下落し、上位にヒットしない場合があるからだという。企業では、このような昔の状況での検索環境へと戻る必要性が生じる場合が多い。

 例えば、現在「はんだ・トラブル」というキーワードで検索すると、RoHS(*1)指令への対応や、亜鉛ウイスカ(*2)などの問題により、「鉛フリーはんだ」の話題がクローズアップされる。

 しかし、2000年に製造した製品に関するはんだの問題を調査すると、当時はまだ鉛フリーはんだは存在せず、知りたいことと検索結果に食い違いが生じる。そこで、タイムトラベル検索で2000年時点での検索をすると、鉛フリーはんだは完全に排除されて、目的とする情報が探しやすくなるというわけだ。

 このように、企業内では製品名も変わるし、分野自体も市場に合わせて変わっていく。ある大きなイベントがあると、それを境に見方がガラリと変わり、それまでの過去が隠ぺいされてしまう。最近のコンプライアンス問題や製造物責任法(PL法)、改正消費生活用製品安全法など、過去の情報に対しても責任を持って保管する要求が高まりつつある中で、時間の流れとともにビジネスが変化することに注目することは、より重要となるだろう。

 「エンタープライズサーチは、最終的にはコスト削減や利益創出に結びつくものでなくてはならない。さらに言えば、企業として社会的責任を全うするためのものでもある」と梶木氏。エンタープライズサーチを単に便利な検索エンジンととらえるのではなく、財務報告の真正性の確保やコンプライアンスの徹底などから、エンタープライズサーチ市場も一気に広がる可能性はあるという。

 NECは医療向け電子カルテシステムや製造業向け図面管理システムなどにおいて、業種・業務特化型の検索技術を20種以上も開発してきた。その上で菊地氏は、「今後も当研究所はこのような検索技術に注力していく。タイムトラベル検索は1年ほどかけてブラッシュアップし、その後広く事業部へ働きかける計画だ」と語る。


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