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困ったら取引先のネットワークを借りてみよう――NTTが研究応用例を紹介

取引先でインターネットにつなげない場合、あなたならどうするだろうか?NTTが逆転の発想でこんな課題を解決できるサービスモデルを紹介した。

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 外出先でいつも利用しているネットワークが使えない時、いったいどうしたらよいだろうか?――NTTグループは、横浜市で開催された「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2007」で、この疑問を解決するサービスモデルを紹介した。

 このモデルは、「ワイヤレス・アドホック・トンネリング・アクセス」と呼ばれ、携帯電話やPHSもしくは公衆無線LANなどのアクセス手段が使えない場合に有効なサービスモデルになるという。つまり自前で用意しているネットワークが使えない場合は、出張先の会社や施設のネットワークを借りてしまおう、というものだ。もちろんセキュリティは確保されている。


サービスモデルのベースとなる「ワイヤレス・アドホック・トンネリング・アクセス」

 これは、VPNと仮想デスクトップ、無線LANのアドホックモードを組み合わせることで実現できる。まず、出先や取引先の社員の無線LANに対応したPCを、一時的にシンクライアント端末として設定する。これはNTTアイティが提供する「マジックコネクト」などを利用することで可能だ。

 次に自前のPCとシンクライアント化させた取引先のPCをアドホックモードで接続する。そして、取引先のPCで呼び出した仮想デスクトップ画面を自前のPCに転送させることで、プレゼン資料や商品情報といったデータを呼び出して、業務に利用することができるようになる。


商用サービスのイメージ

 この際には相手先のネットワークを間借りすることになるが、アクセス認証を受けた相手先のPCを利用するのでスムーズに接続できる。また、VPNとして自社のネットワークへ直接つながるため、相手先のネットワークにある別機器などに侵入することはできない。シンクライアント化させた取引先のPC内にデータが残る心配もなく、これにより、相手先のネットワークを経由してセキュアに自社のネットワークにつながるサービスが実現するという。

 取引先でPCを利用する場合、一般的には相手先企業が提供するゲスト用のネットワークか自前のPHS、携帯電話で接続する場合が多い。これまでに提供されたリモートアクセスサービスは、自宅や外出先で自前に用意した回線を経由して、社内にアクセスすることを前提としたものばかりだ。

 今回紹介されたケースはいずれの手段も利用できない場合に、相手先のネットワークを間借りするという、いわば最終手段というケースでの利用が想定される。

 だが、いくらセキュアとはいえ、自社のネットワークに外部のPCがつながることを快く思わない企業も多いだろう。相手先企業の理解を簡単に得られるようになるかどうかが、このモデルの商用化に向けたポイントになりそうだ。

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