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夢のモバイルWiMAX端末登場を阻む壁:次世代ITを支える日本の「研究室」(3/3 ページ)
期待されつつ、その実現の道筋が見えにくいWiMAX。だがここにきて、具体化への取り組みが海外を中心に活発になってきた。次世代携帯端末での標準化もとなえられる中、モバイルWiMAXには大きな弱点が存在していた。
全社挙げてのWiMAXエコシステム
富士通は日本で唯一、2002年のWiMAXフォーラムの設立当初からのボードメンバーであり、この分野には長年力を入れてきた。現在も、全社体制でWiMAXの包括的なソリューションのためのエコシステムを構築している。富士通では基地局、端末、デバイスそれぞれの事業本部が担当し、コア技術や差別化技術については富士通研究所、標準化については国内および海外研究所、海外事業所などが連携する。
そして今後の展開について、斉藤氏は「モバイルWiMAXにフルコンプライアントなシステムにすることが目標。チップセット化を進め、WiMAXフォーラムの認定を取得することで、2008年度中の商用化を目指す」と述べる。
このような技術革新を経ながら、無線LANとセルラー網を補完する存在として、いよいよモバイルWiMAX実用化への道筋が見え始めたようだ。
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