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「3Gでブロードバンドは厳しい」、東芝とノーテルがモバイルWiMAX基地局を共同開発へ

東芝とノーテルネットワークスは、モバイルWiMAX基地局の共同開発で提携した。両社のノウハウを持ち寄って小型化、省電力化を実現する。

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 東芝とカナダのノーテルネットワークスは5月18日、モバイルWiMAX用の基地局の共同開発に関して提携すると発表した。今秋予定される総務省によるWiMAX事業者への2.5GHz帯無線免許の交付を見据え、2007年第3四半期中に両社で小型基地局を開発、実証実験を実施した後、2008年初頭より本格的な製品展開を図っていく。

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「提携する上で東芝の高周波の技術は魅力的だった」とノーテルのマッキノンGM

 IEEE 802.16e規格のモバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)は、移動体通信と親和性の高い次世代の高速無線技術として注目されている。東芝は、WiMAXが採用する変復調技術、OFDM(直交周波数多重変調:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)やMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術の開発に実績があり、海外で多くの販売チャンネルを持つノーテルネットワークスと組むことで、WiMAX関連ビジネスの海外展開の足掛かりとしたい考え。

 東芝とノーテルは、互いに得意とする技術を持ち寄り、家屋の密集地帯に適した、小型で低消費電力の基地局を開発する。具体的には、東芝が基地局の「高周波」部、ノーテルが「デジタル」部という形で開発を分担。高周波部で東芝は送信用増幅器(アンプ)の電力効率を向上させる技術、デジタル部でノーテルはOFDMの技術ノウハウを投入して、WiMAX基地局では難しいとされる小型化、低消費電力化を実現する。さらに、MIMOの技術を生かしてデータ通信容量を増やすことで、従来よりも少ない基地局で広いエリアをカバーできるようになるという。

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基地局の開発を2ブロックに分けて小型化を図る

 ノーテルのピーター・マッキノンWiMAX & ワイヤレス・メッシュ事業部ゼネラルマネジャーは、WiMAXに注力する理由を「VoIP(Voice over IP)、映像、データ通信といったブロードバンドトラフィックを扱う点において、3Gでは厳しくなってきている。WiMAXや4Gの方がビジネスケースからみて事業者にメリットをもたらす」と説明。「開発する製品の特徴は、事業者の設備や運用のコストを抑えられること。日本での要件を満足させることができれば他国でも成功するだろう」と述べた。

 基地局の販売については、国内では東芝が、海外はノーテルが自社ブランド下で行う予定だ。東芝 社会システム社の木村俊一社長によると、「製品の開発は両社の技術者がお互いの拠点を行き来しながら進める」という。また、400億円規模というWiMAX装置の市場において、約25%のシェア獲得が目標だとした。海外への本格的な販売展開は国内で実績を上げた後になる。

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