iSuppliが7月19日に発表した報告書によると、2007年4〜6月期もマイクロプロセッサ市場は堅調に推移している。
唯一特筆すべきは、数四半期にわたって後退を続けていたAMDが、わずかにシェアを取り戻したことだ。
4〜6月期のシェアはIntelが80.3%、AMDは11.4%となっている。1〜3月期に比べてIntelのシェアは0.5ポイント後退、AMDは0.5ポイント盛り返した。
それ以外のメーカーは市場の8%を占めている。
Intelは16日にハイエンドPCとゲームPC向けのクアッドコアXeonを追加投入。x86市場は依然としてIntelの独占状態にあるが、AMDの後退はどうにか止まり、2006年以来減り続けていた市場シェアをわずかに取り戻した。
iSuppliによると、2006年4〜6月期の時点で16.4%だったAMDのシェアは、2007年1〜3月期に10.9%まで減少。4〜6月期でようやく微増に転じた。
報告書によると、これは同四半期中にIntelプロセッサの平均販売価格が下がったことが一因。両社の間で価格戦争が続き、四半期実績に影響を与えていることを示すものだという。
iSuppliのアナリスト、マシュー・ウィルキンズ氏は報告書に次のように記している。「市場シェアの形勢が変わったのは、Intelプロセッサの平均販売価格(ASP)下落が主因となっている。これが原因で販売額に占めるIntelのシェアは減ったが、同社のマイクロプロセッサ出荷量は前期比で増加した」
Intelは17日に発表した第2四半期(4〜6月期)決算で、半導体企業にとって重要な指標となる粗利益率が46.9%となり、目標の48%に届かなかったことを明らかにした。第3四半期には52%まで上昇すると見込んでいる。
業界観測筋によると、Intelは近くプロセッサ価格を引き下げる準備を進めている。AMDは7月に値下げを実施済み。
Intelの純利益は13億ドル、売上高は87億ドルだった。AMDは19日の取引終了後に四半期決算を発表している。
2007年7〜9月期はIntelとAMDの間で再び競争が過熱しそうだ。AMDは8月にクアッドコアのOpteronプロセッサ(コードネームBarcelona)を出荷開始し、9月から大量出荷を開始する予定だ。
Intelは7〜9月期にマルチプロセッササーバ向けプラットフォームの「Caneland」をリリースし、次いで年内に45ナノメートルプロセッサ「Penryn」シリーズの投入を計画している(2月23日の記事参照)。
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