MS、Vista加速に向けパートナーシップを拡大
マイクロソフトはコンシューマ向け戦略説明会CONNECTEDを開催し、Windows Vistaの普及を加速するべくコンテンツサービスでの提携強化を発表した
マイクロソフトは8月29日、コンシューマ事業戦略のパートナー企業向け説明会「CONNECTED」を開催した。Windows Vistaを中核としたデジタルライフの普及に向け、同社が標榜する「ソフトウェア+サービス」コンセプトに基づいたエコシステムの拡大を発表した。
基調講演に登壇したダレン・ヒューストン代表取締役社長は、動画投稿サービスYouTubeや三次元仮想社会サービスSecond Lifeの人気を例に挙げ、「これらのサービスは日本人の利用も非常に多い。デジタルライフで利用されるコンテンツ市場は今後も2けた成長が続き、もはや見逃すことのできない重要な市場だ」と述べた。
ダレン氏はデジタルライフスタイルが注目される背景として、PCの高性能化、ブロードバンドの普及、モバイルとPCのシームレス化、ネットワーク上でのストレージ利用拡大、高精細ディスプレイの普及、ユーザーインタフェースの多様化という6つのトレンドがあると説明した。
同社ではデジタルライフスタイルを実現させるコンセプトとして「ソフトウェア+サービス」を掲げる。ダレン氏は、「このコンセプトはSaaSではないかとよく言われるが、われわれのコンセプトはデバイスとCloud(Webサービス)の革新を組み合わせるものだ。先に挙げた6つのトレンドがこれを実現する」という。「例えばAppleはiPodとiTunesで新しいライフスタイルを創造したが、Windows Media PlayerでダウンロードしたLosslessの高音質な楽曲データを、PCに接続されたオーディオシステムで楽しむことができる」(ダレン氏)
ダレン氏は、デジタルライフスタイルの普及にはコンテンツの存在がますます重要になると話し、業界の枠を超えたエコシステム実現への意欲をみせた。
「われわれは毎年10億ドル規模の投資を行っているデータセンター上にCloudのWindows Liveプラットフォームを構築している。Windows Liveは、ユーザー認証だけでなくメッセンジャー機能によるコミュニケーションプラットフォームでもある。パートナーは大規模な投資を行うことなく、新しいコンテンツを提供できるだろう」(ダレン氏)
さらには、提供されるコンテンツサービスの高度化や、クロスプラットフォーム上で利用できるものとするために、Windows VistaのUltimate Home Premiumに搭載されるMedia Centerの拡張機能「Media Center Extender」や「Windows Presentation Foundation(WPF)」、「Windows Silverlight」を紹介した。
今回のCONNECTEDでは、Media Centerで提供される新たなコンテンツサービスが日本テレビ、TBS、テレビ東京、イ−ブック・システムから発表された。
日本テレビは富士通やバッファローと共同開発したワンセグ放送・Media Center連携機能を提供するほか、TBSがプロ野球の横浜ベイスターズのホームゲームを中継する「ハマスタWAVE」、テレビ東京がアニメーション専門チャンネル「あにてれ」を提供する。イーブック・システムは、オンラインの電子図書館サービス「Flib-MC」でMedia Centerのコンテンツガイドを提供する。
ダレン氏は、「今後出荷されるPCのほとんどがVista搭載モデルとなり、2年後にはインストールベースでVista PCが半数以上を占めるだろう。世界でもこの傾向が加速しており、パートナーにとってはビジネスチャンスがさらに広まるだろう」と締めくくった。
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