Thunderbirdの生産性を向上する機能拡張:Thunderbird使いの必須エクステンション(2/2 ページ)
Firefoxと比べると、拡張機能がそれほど多くないThunderbirdだが、多くのユーザーが使って便利だと感じるであろう機能拡張も各種存在する。本稿ではその中の幾つかを紹介することにしよう。
SyncMab
ThunderbirdのAddress Book(アドレスブック)を住所録代わりに使用しているユーザーにとって便利なのが、SyncMabという機能拡張だ。これはアドレスブックをローカルないしリモートサーバ上のファイルに書き出すためのツールであり(プロトコルは、FTP、HTTP、HTTPSをサポート)、また逆方向の操作としてローカルないしリモートに保管された指定ファイルからアドレスブックへのインポートにも対応している。このツールの用途としては、アドレスブックのバックアップ以外に、複数のThunderbirdインストレーション間で住所録データを同期させるといった目的で使用することもできる。
SyncMabの場合は、複数の同期プロファイルを設定することも可能だ。例えばこの機能を使って、ローカルにあるハードディスクへのアドレスブック保存用のプロファイルと、リモートのFTPサーバを介した同期処理用のプロファイルを個別に作成しておくことなどが考えられる。ただしSyncMabにはアドレスブックファイルを暗号化する機能は装備されていないので、保管先は部外者がアクセスできるFTPやWebサーバは避けて、ローカルネットワークを利用すべきだろう。
FoxClock
世界各国の人間と情報交換をする機会が多いユーザーの場合、相手先の現地時間をその場で確認できると便利である。特にFoxClockという機能拡張をインストールしておくと、海外の都市別で現地時間を一覧させることができる。この世界時計はThunderbirdのステータスバーに表示されるが、その表示についてはユーザーによる各種の設定変さらに対応している。例えば、表示対象とする国および都市は必要な数だけ指定でき、その際には FoxClockのデフォルトリストから選択することも、独自の“タイムポイント”をユーザー設定することもできる。そのほか、FoxClock本体の表示法、時刻の表示フォーマット、データベースのアップデートなどさまざまな設定変更が可能であり、これらの変更はOptionsダイアログ上で実行する。
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Dmitri Popovは、フリーランスのライターとして、ロシア、イギリス、米国、ドイツ、デンマークのコンピュータ雑誌に寄稿している。
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