ジュニパーネットワークスは9月26日、イーサネット回線の収容に特化したルータ「MX240」「MX480」の2モデル、およびMXシリーズ共用の新しいラインカードを発表した。本体の省スペース化、省電力化を図り、キャリアイーサネット市場での拡販を狙う。
MX240/480は、ジュニパーが2006年10月に発表した同社初のキャリアイーサネット向けミッドレンジルータ「MX960」の流れをくむシャーシ型ルータ。アーキテクチャー、パケット処理能力をそのままに筐体をコンパクト化し、ポート密度を高めたのが特徴。5RUのMX240ではギガビットイーサネット(GbE)インタフェース×120(10GbE×12)ポート、8RUのMX480ではGbE×240(10GbE×12)ポートを収容できる。「イーサネットポートの収容数は競合製品の約3倍になる」(ジュニパー)という。
また、6月発表のコアルータ「T1600」から推し進めている省電力化も図った。同社によると、GbE×240ポート搭載のMX480では「同じインタフェース、ポート密度の他社製品に比べ、3年間で約10万キロワット分の消費電力節約になる」(同社)としている。
MX新モデルと同時に、レイヤ2 VPNやVPLS(Virtual Private LAN Service)に対応したアグリゲーション用カード「DPCE-X」、イーサネット上のQoS(Quality of Service)制御が可能な「DPCE-Q」の各ラインカードもリリースされる。特にDPCE-Qでは、1枚のカードで6万4000のVLANポートを収容し、VLANで分けられたユーザーグループごとに4段階のキューイング設定が行え、細やかな帯域制御が可能。ATMやフレームリレーなどの専用線を広域イーサネットに統合するのに役立つ。
同社サービスプロバイダーマーケティングの佐宗大介マネージャーは「基幹のバックボーンネットワークにイーサネットを採用するキャリア、サービスプロバイダーも増えてきた。事業者がIPマルチサービスを展開する上で、こうした信頼性に加え、細かなQoSコントロールなどの拡張性、消費電力の抑制などが要求される。MXシリーズはこれらの要件を満たす」と製品の優位点を強調した。
製品の出荷時期は、MX480およびDPCE-Xが10月、DPCE-Qが今年の第4四半期、MX240が2008年第1四半期。価格はすべてオープン価格。
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