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「手書きが学習の理解を深める」――和歌山市の小学校にて(3/3 ページ)

和歌山市は1300台のタブレットPCを市内52のすべての小学校へ導入し、児童の情報教育への活用を推進する。すでに授業への利用が行われ、児童が活用している小学校もある。

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教室でのより効率的な学習のため

 タブレットPCが導入された和歌山市立有功東小学校(小松龍三校長、全校生徒358名)では、実際に授業に生かした取り組みが始まっている。


和歌山市立有功東小学校

小松龍三校長

 成瀬雅海教諭が担当する五年生のクラスでは、「手書きデジタル学習教材(小学館)」を漢字の習得に利用している。ある設問に対する正しい漢字をパソコンに一覧表示されているものの中から選び、その文字をペンで書くことによって覚えていくというもの。はじめにその漢字の書き順がアニメーション表示されるので、用意されたマスの中にペンで正しい書き順(はね、とめなども正しく書く必要がある)で入力すると、正否をソフトが示してくれる。


手書きによる漢字練習

 紙のノートの漢字練習帳との違いを子供たちに聞くと、「紙に書くのもパソコンに書くのもそれほど違いはない」と言う。ただ、書き順を教えてくれるなどのインタラクティブ性については「面白くてやる気になるし、よく分かる」とのことで、その効果は認められるようだ。

 成瀬教諭も、「パソコンはあくまで授業の進行と子供たちの理解をサポートするもの」として、教室で行われることすべてがパソコンにとって代わられるものではないことを示唆する。パソコンを使うことで、大勢の生徒が別個の理解と進捗で学習することができるようになる。理解できないときは分かるまで反復練習ができるので、全体の効率を高めながら、各生徒の理解も進めることができる。また、先生と生徒のコミュニケーションについても、見回りをしながら教えていくことで、従来どおり保つことができると成瀬教諭は言う。

 子供たちの学習に対する意欲を高め、より効率的な授業のために役立たせることがICT活用の要となる。ここでの使われ方は、その好事例といえるだろう。


成瀬教諭が教える五年生のクラス
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