Ubuntu 7.10は秀逸なリリース:Super Review(3/3 ページ)
Ubuntuの最新版、Ubuntu 7.10は、新機能と最新フリーソフトウェアアプリケーションを重視した最先端ディストリビューションだ。今回試してみたところ、幾つかの小さな不具合があるものの、素晴らしい新機能を持つ高速なOSだと分かった。
残念な点
残念ながらUbuntu 7.10にもそれなりに不具合はあって、細かいものもあれば深刻なものもあった。例えば、Rhythmboxで音楽を再生しているときに時折雑音が混じったり、特に原因が見当たらないのに片方あるいは両方のスピーカが機能しなくなることもあった。ただしAmaroKではこの問題は起こらなかった。このバグはGutsyがリリースされる前に報告されていたのだが、最終版にもまだ存在していた。なおこのバグについては、メインの音量調節バーを100%以外の位置に設定するという、推奨されている「対処法」があるものの、わたしの場合はうまく行かなかった。
わたしが遭遇した別の細かい問題点には、GNOMEデスクトップ上にランチャーを作成するたびに、ホームディレクトリに余分なフォルダが保存されるというものもあった。フォルダは「file:」という名前で、存在する目的は特にないようだった。わたしはこのバグをGutsyがリリースされる前に報告したのだが、今回新しくインストールしたシステムでもやはりこの問題は残っていた。
さらに、数回リブートした後には、ユーザー切り替えツールが正常に起動しなくなってしまい、さまざまなエラーメッセージが表示されるのを止めるためにユーザー切り替えツールを削除せざるを得なくなった。この問題は、ビデオカードのためにバイナリドライバをインストールした後に現われるようになったようだ。
最後に、オフィシャルのUbuntuフォーラムには、偶発的に起こるフリーズに悩まされているというメッセージがNvidiaカードを使用しているユーザーから数多く寄せられている。このバグはクローズドソースのドライバのバグであるため、Ubuntu開発者の手落ちではない。しかしそれでもこの不具合によって、それ以外の点では堅固なリリースである Ubuntu 7.10の評判が傷つくことになっているのは事実なので、Nvidiaがこのバグに対処するまでは、Ubuntu開発者は旧版のドライバを採用するようにしておいた方が良かったのではないかと感じた。Gutsyのインストールを考えているなら、手持ちのカードに関する既知の問題点がないかどうかをまずオフィシャルのフォーラムで確認しておくとよいだろう。
確かに幾つかの不具合を経験することにはなったものの、わたしにとってUbuntu 7.10の新機能はそのような不具合を上回るものだった。Ubuntu 7.10は完璧なリリースだというわけではなく、確かにやや性急にリリースされた印象もあるが、正しい方向へ一歩進んだリリースであり、最終的には来春リリースされるLTS版の安定化にもつながるリリースだ。有名なディストリビューションUbuntuの新版であるUbuntu 7.10は、わたしのマシン上ではこれまでのどのリリースよりも高速で走り、初心者ユーザーも上級者ユーザーもどちらも確実に楽しむことができる新機能も満載で、非常に頼もしく動いている。
Jeremy LaCroixは時間がある時に記事を執筆しているIT技術者。
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