IT業界で給与と手当の交渉を行う7つのヒント:マネジャーの教科書(3/3 ページ)
多くの人はオファーの内容は確定していて交渉の余地はないと思っているが、たいていの場合、そんなことはない。本稿では、この先、仕事のオファーをもらって雇用条件について交渉を始める際に役立つ7つのヒントを紹介する。
オファーは文書で受け取る
重要な仕事ほど、そのオファーは条件の要点が提示された、改まった形式の手紙や電子メールで届く可能性が高い。ただし、例え略式であっても文書でオファーを受け取ることは、通常はどんな仕事であれ悪いことではない。それは、将来の雇用主の誠実さを試すためではなく(そもそも、信用できない雇用主であればオファーを検討するまでもない)、書面が手元にあれば話し合いの詳細を思い出すのに役立つからだ。また、オファーを文書にしてもらえば、関係者全員が同意した条件であることが保証され、最終的な決断もきっぱりと下せる。
これらの利点は非常に重要なので、会社側が条件を書面にしてくれない場合はこちらからの承諾の電子メールにその内容を記しておくとよいだろう。誤解を残したまま新しい仕事に就いたり、さらには、新しい仕事の条件を明確にせずに今の仕事を辞めたりしたくはないはずだ。
オファーへの返答はじっくり考えてから行う
ありがちなのは、仕事のオファーをもらったことにうかれて十分に考えずに承諾してしまうことだ。特に、しばらく仕事に就いていなかった場合はそうなりやすい。反対に、時間を置いて返答することにすれば、オファーの内容を自分のニーズや希望と比較検討することができる。
『How to Make $1,000 a Minute』(1分間で1000ドル稼ぐ方法)という本の中で著者のジョン・チャップマンは、口頭で返事をする場合はどんなときでも、申し出の内容について検討するとともに会社側にある程度のプレッシャーを与えるために30秒待ってから伝えるとよい、と書いている。そうした駆け引きが嫌なら、「大変ありがたいのですが、もう少し自分で考えてパートナーと話し合う時間をください」といえばよいだろう。
すぐにでも人が必要なポジションならある程度柔軟に対応する必要があるだろうが、1日や2日返事が遅れても会社側にはほとんど影響がない。だが、あなたにとっては貴重な時間になり得る。会社のオフィスを出て一晩ぐっすり眠った後なら、オファーの内容をもっと冷静に把握できるはずだ。会社側の代表者がそうした筋の通った要求をなかなか認めてくれないようなら、あなたもその会社について考え直す方がよいかもしれない。
まとめ
ここで紹介したやり方は不自然で手が込みすぎている、と思われるかもしれない。特に、人との駆け引きを嫌がる典型的な内向型開発者の場合はそうだろう。しかし、IT部門で採用の決定を下す担当者の方も同じような考え方をしているはずだ。場合によっては、あなたと同じくらい不安を感じているかもしれない。
自分の利益になるように振る舞うのが得策であることを思い出せば、ここで紹介したヒントを使うことにも抵抗がなくなるだろう。また、不愉快な気分になってその仕事をあきらめるしかなくなるほど強引な使い方をしない限りは、損をすることもめったにないはずだ。これらのヒントに念頭に置いて前もって予行練習をすれば、自分にとって最適な条件を提示する準備が整うので、ずっとリラックスした気持ちで面接に臨めるだろう。
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