SunとDellが歴史的和解、SolarisをOEM:Oracle OpenWorld 2007 San Francisco Report(1/2 ページ)
11月14日午前、「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は事実上の最終日となる3日目を迎え、SunのシュワルツCEOは、ライバルであるDellとの、Solarisを軸にした協業について話した。
「IntelやIBMがSolarisをOEMで提供している。さらにMicrosoftは、彼らの仮想環境の上でSolarisが動くことを正式に認証している。これらの提携の活動は、コミュニティーが求めているからこそここまで発展したのだ」── Oracleの祭典、Oracle OpenWorldでSun Microsystemsのジョンサン・シュワルツ社長兼CEOは、かつてはライバルらとのSolarisを軸にした提携についてこう話した。
そして、「さらに、もう1社足りないパートナーがいる」とし、新たなパートナーとして紹介したのが、何と最大のライバルでもあるDellだった。
米国時間11月14日午前、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は事実上の最終日となる3日目を迎え、Sunのスポンサー基調講演が行われた。
シュワルツ氏に促されたマイケル・デル会長兼CEOは、ステージに上がると、DellのTシャツをシュワルツ氏に手渡した。かつてはOracle OpenWorldの基調講演でも、競合会社として互いに激しく攻撃し合っていた両社が、そのステージ上で握手をするという歴史的な瞬間だった。
両社はライバルとして競いながらも、実際のところは、Intel版のSolarisのおよそ3分の1がDellのマシンの上で稼働しており、互いに相手との協調を必要としていた。
シュワルツ氏は、基調講演のあとのQ&Aの席で「Dellの上でSolarisを動かすというのはこれまでもやってきたが、今回の提携の発表でこれを正式なものにすることにした。もちろん、マーケットに対し影響を与えるのはどこかを考えて協業を決めている。われわれは、競争しながら協業する」と話した。Dellとの提携は、新たに正式な選択肢を与えることであり、顧客にとってのメリットは大きいとした。
このDellとの協業も、やはりコミュニティー活動の結果だとシュワルツ氏は話す。オープンソースのコミュニティーにSunが貢献するのは同社の明確な方針であり、それによってビジネスのチャンスは拡大するとみている。オープンソースで自社のテクノロジーが普及すれば、結果的には今回のように、DellがSolarisを提供するというような形でビジネスとしてSunに戻ってくるのだ。
これは、ITの業界にとっても新たな大きな動きだとSunは捉えている。業界全体としてオープンソースへの取り組みを考えていくべきだとシュワルツ氏は主張する。
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