SunとDellが歴史的和解、SolarisをOEM:Oracle OpenWorld 2007 San Francisco Report(2/2 ページ)
11月14日午前、「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は事実上の最終日となる3日目を迎え、SunのシュワルツCEOは、ライバルであるDellとの、Solarisを軸にした協業について話した。
仮想化はもはやデフォルトに、「Sun xVM」発表
最大のライバルであるDellとの提携の衝撃もさめやらない中、シュワルツ氏は、同社の新たな仮想化環境である「Sun xVM」について詳細に紹介した。Sunでは、今後は仮想化は既定路線という認識だ。8月に発表した最新のCPUであるNiagara II(UltraSPARC T2)も、1CPUで64スレッドを実現しており、まさに仮想化に最適化されたものだという。
「Niagara IIでは1CPUで最大64のさまざまなOSインスタンスを稼働できる。これはデータセンターが抱えている異種混在環境で複雑化、肥大化するという課題を、まさに克服するものだ」とシュワルツ氏。仮想化により低コストと低消費電力に加え、複雑性を取り除くことが可能となるとする。
Sun xVMは、Xenをベースにした仮想化ハイパーバイザーだ。LinuxのRedHatやSUSEに同梱されているXenと基本的には同じであり、これはSolaris用のXenと捉えることができる。Sun xVMの上では、Solaris、Windows、Linuxを稼働させることが可能だ。ハイパーバイザーは、小型のカーネルベースのOSに仮想化のためのコントロールがついたものであり、CPUのマルチコア部分の活用を加速するものだ。Xenのコミュニティーで協力することで、将来的には仮想化環境で必要になるストレージ、ネットワーク、その他の管理の仕組みをSolarisのカーネルに組み込んでいくことになるという。
Sun xVMの他の仮想化ハイパーバイザー製品に対する優位性は、次世代のファイルシステムであり、仮想化ストレージを実現する「ZFS」や、ネットワークの仮想化技術である「Crossbow」、障害管理アーキテクチャーであるFMA(Fault Management Architecture)といった周辺技術を取り込んで、仮想化環境で稼働するゲストOSにもその恩恵を与えられることだという。
Sun xVMもGPL V3のライセンスの下、オープンソースとして提供し、ユーザーは無償で利用することができる。これに対するSunとしての収益のモデルは、Solarisと同様にサポートサービスということになる。次期Solarisのリリース候補(Nevada)でソースコードがマージされ、Solaris xVMとしてOSとワンパッケージ化され、利用できるようになるという。
「Open xVMのコミュニティーは、大規模なものでXenのコミュニティーにも大きく貢献している。コミュニティー活動に参加してみたい人は、是非ともopenxVM.orgのサイトを訪れてみてほしい」(シュワルツ氏)
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