日本IBM、DCの消費電力とCO2削減を本格始動
消費電力や二酸化炭素の削減を目指すIBMの「Project Big Green」が本格始動する。主要な問題として挙がるデータセンターの消費電力を管理するソフトウェアの最新版も発表された。
日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は11月29日、データセンター(DC)の消費電力や二酸化炭素の排出量を減らすプログラム「Project Big Green」の取り組みを説明した。2007年5月の発表から明らかにされていなかった日本における具体的な取り組みが説明された。
1970年代から全世界で、「IBM自身」「従業員やパートナー、社員」「顧客」の3つの観点から環境問題に取り組んでいるIBMは、1990年から2005年までの15年間で、同社の二酸化炭素排出量を40%削減している。だが、同社グローバル・テクノロジー・サービス事業担当の橋本孝之専務執行役員は、「6種類ある温室効果ガスの中でも二酸化炭素の排出量は95%を超えている。ほかのガスは削減が進んでいるが、二酸化炭素は逆に排出量が増えている」とし、削減の余地はまだ残されていることを述べた。
この動きを受け、IBMは2012年までに二酸化炭素の排出量を2005年に比べて12%削減する目標を立てている。Project Big Greenの取り組みとして、技術やサービスに毎年10億ドルの投資、データセンター構築のノウハウなどを支援する専門の環境コンサルタントを全世界で850名以上配置した「Green Team」の設立、2010年までにユニット単位当たりの消費電力を半分にするという3点が挙げられた。「日本でも(同プログラムを)本格始動する」と橋本氏は語る。
データセンターの消費電力管理製品を発表
取り組みの1つとして挙げられるのが、電力管理ソフトウェアによる消費電力のコントロールだ。同社は環境に配慮した管理製品として、データセンター内のサーバやストレージ消費した電力を監視・調節・出力できるソフトウェアの最新版「IBM Systems Director Active Energy Manager」(AEM)シリーズを同日発表した。
AEMは、x86サーバ「IBM System x」を中心に提供してきた電力管理ソフトウェア「PowerExecutive」の機能を拡張し、対応サーバをUNIX/ミッドレンジ/ブレード各種に広げた。プラットフォームの運用管理ソフトウェア「IBM Systems Director」の追加機能として提供される。
監視対象のサーバやストレージの消費電力や温度のデータをAEMデータベースに格納し、傾向や平均、ピーク値を算出する。データはCSV、HTML、XML、JPEG形式でリポート出力できる。それを基にCPU速度の調整や消費電力の制限、データセンター内の温度調節などができる。
AEMは、UNIXサーバ「IBM System p」、ミッドレンジサーバ「IBM System i」、POWER6搭載ブレードサーバ「IBM BladeCenter JS22」に対応する「IBM Systems Director AEM for POWER V3.1」と、IBM System xおよびブレードサーバ「IBM BladeCenter」で稼働する「IBM Systems Director AEM for System x & BladeCenter V3.1」の2種類がある。
AEM for POWER V3.1はサーバ1台当たり1万9320円で出荷は12月14日から、AEM for System x & BladeCenter V3.1は、サーバ1台当たり2万8665円、12月21日から出荷。いずれも「IBM Systems Director V5.20.2」を必要とする。
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