シスコ新社長が所信表明、「SMB、消費者市場も狙う」
シスコシステムズのエザード・オーバービーク新社長は、今後中堅・中小企業市場や未開拓だったコンシューマーの市場にもビジネスを積極展開するという。
シスコシステムズは12月5日、黒澤保樹前社長の後任として11月15日付で日本法人社長兼CEOに就任したエザード・オーバービーク氏が報道関係者に今後のビジネス方針を説明。これまでの大企業向けのビジネスだけでなく、中堅・中小企業(SMB)の市場やコンシューマーの市場に対してもコミットしていく考えを示した。
ネットワーク接続機器であるスイッチ/ルータの販売ビジネスでスタートした同社だが、2008年は「ネットワークをシームレスにつなぐだけでなく、“プラットフォーム”として活用する」(オーバービーク氏)ことを基本方針として掲げる。この方針の下、エンタープライズからコンシューマーまですべてのセグメントにおいて、ネット時代の需要変化のスピードに追いつくリアルタイムでの意志決定を支援するための、ミドルウェアを含めた総合的なネットワークインフラ構築に注力するという。
オーバービーク氏は、説明の中で、多くの顧客やパートナー企業との関係強化で築いた「エコシステム」をビジネス展開の基盤とすることを何度も強調した。同社がこれまで切り崩せなかったSMB市場に対して、SMB専門のパートナープログラムを実施して、セグメントに特化した製品開発や販売促進を行う。
また、シスコが挑戦者の立場となるコンシューマー市場についても、販売パートナーとの関係作りを重視。家庭用セットトップボックスやIPTVビデオヘッドエンドなど「新規の製品やソリューションの投入も検討している」という。一方エンタープライズ市場については、製造業、小売業など特定産業向けの製品を順次そろえていくとした。
NGNにはアドバンテージ
さらに同社は、国内での商用化に向けさまざまなキャリアやベンダーが参加するNGN(次世代ネットワーク)も重要なインフラとして注目する。ハイビジョン映像、多地点接続を特徴とするIPテレビ会議システムをNTTのフィールドトライアルに提供するなど、積極的な取り組みを見せているが、同社が得意とするキャリア/ISP市場においても「データ、音声、動画、モバイルのクアッドプレイを統合プラットフォームで実現できるのはわれわれだけ。今後もビジネスを優位に展開できる」とオーバービーク氏は話す。
「ネットワークで生活を変えていくというシスコのスローガンは20年前と変わらない。エコシステムで日本を進化させるお手伝いをしたい」(同氏)
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