インテルは12月10日、定例会見を開き、代表取締役共同社長の吉田和正氏が2007年を総括し、2008年の展望を語った。
2007年最大のトピックとして、吉田氏は45ナノメートル(nm)のHigh-kプロセステクノロジーを挙げた。High-kとは、高誘電率素材を使ったトランジスタのゲート絶縁膜で、コードネーム「Penryn」と呼ばれるプロセッサに採用されている。前世代の65nmプロセッサと比べて、トランジスタの集積度が約2倍となり、スイッチング速度は20%以上向上した。スイッチング電力を約30%削減したほか、リーク電流は10分の1以下に抑えた。
この技術によって、高い性能と優れた電力効率を実現する「エコプロセッサの製造が可能」と同氏は強調した。今後出荷するプロセッサについては鉛フリーやハロゲンフリーを実現して、環境を考慮した製品作りに取り組む方針だ。
2008年の展望として、「モバイル」「ヘルスケア」を挙げた。
今後はモバイルコンピューティングの重要性が増し、次々に新しい技術が登場するという。同社は、45nm High-Kプロセッサ搭載のノートPC「Santa Rosa Refresh」や、新型チップ「Menlow」を実装したウルトラモバイルを発売するほか、WiMAXやWiFiに対応した製品の開発にも注力する。
ヘルスケアは、数年前から力を入れている分野。高齢化社会の到来と慢性疾患の増加に伴い、今後は自分自身で健康を管理する必要性が高まるという。同社は、ネットワーク機器を使った個人健康管理の向上を目指す非営利団体「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」などに参加し、医療機器にIT技術を取り込んだ健康管理システムを構築する。
「2008年は市場ニーズとユーザビリティを追求することによって、今年以上に革新的な1年にしたい」(吉田氏)。
関連記事
- Intel、45nmプロセッサ「Penryn」発表
Intel共同創設者のゴードン・ムーア氏は「40年間で最大のトランジスタの進歩」と呼んでいる。 - Intel、「100%鉛フリー」プロセッサ宣言
Intelは、「45nm High-k」以降のプロセッサから鉛使用を中止する計画を発表した。 - Intel、45nm技術で勢力奪還をアピール
IntelはAMDに奪われた勢力を奪還すべく態勢を固めているが、その優位は長くは続かない見通しだ。 - インテル、医療現場のIT化を推進
インテルは、ネットワーク化やプラットフォーム提供による医療現場のIT化に率先して取り組む。 - 「大変意味深い一年になった」インテル吉田社長が2006年を総括
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.