富士通、運用管理ソフトのログ活用を強化
富士通は、運用管理ソフトウェア「Systemwalker」のログ活用機能を強化した。シンクライアントのログ管理、ミドルウェアのログのリポート出力、ストレージとの連携が可能になった
富士通は12月19日、運用管理ソフトウェア「Systemwalker」の機能強化に関する記者説明会を開催した。IT統制の中で正しい運用を示し、操作ログやアクセスログなどを基に、情報セキュリティやマネジメントプロセスを検証する「証跡管理」を強化する機能を紹介した。
ログの収集と保管はできるが、ログの有効活用ができていない――情報システムの運用管理における現状の課題だ。富士通はログ管理を、運用ルールの策定、ログの取得、精査、問題への対応というサイクルを実施して初めて機能するものとし、それを実現する証跡管理を重視して機能を追加した。
Systemwalkerの強化ポイントは3つ。シンクライアントのログが取得可能になったこと、ログのリポート出力対象をミドルウェアに拡大したこと、ログ保管にストレージが利用できるようになったことだ。
シンクライアントの強化点では、新たにファイル操作や印刷などの操作ログ、コマンドプロンプト内の操作ログを収集できるようになった。これまではアプリケーションの起動や終了、ログオンやログオフのログ収集のみに対応していた。異なるシンクライアントのログを一括取得できる機能も備えた。
リポート機能は、ログ点検の対象をOSやシステムからミドルウェアにまで拡大した。ジョブスケジュールの定義変更や操作、業務アプリケーションの自動起動や停止、バックアップなどの動作ログをリポートとして出力できるようになった。今後はアプリケーションサーバなどのミドルウェアやデータベースなどにも同じ機能を追加するという。
アーカイブストレージ「ETERNUS AS500」と連携してログを安全かつ長期的に保管できるようになった。専用APIを用いてストレージとライフサイクル管理製品「Systemwalker Centric Manager」間でデータをやり取りできるほか、システム内の新規メディアに自動でデータを移す機能を備えた。
競合他社の運用管理ソリューションとの差別化について、ソフトウェア事業本部システムマネジメントミドルウェア事業部の新田将人事業部長は「(他社製品が対応していない)ログのリポート出力ができること。Centric Managerと一体化して、監視から監査までを1つの製品で解決できること」を挙げた。
Systemwalkerシリーズ全体で今後2年の間に200万本のライセンス販売を見込む。
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