特集
勇気を出して初めての仮想化:マイナス要素を恐れずに(3/3 ページ)
仮想サーバの快進撃で、レガシーボックス(時代遅れのマシン)が駆逐されつつある。仮想化されたサーバは本当に高いパフォーマンスを発揮しているのか? そこに潜む厄介な連鎖反応とは?
その結果、データセンターの電力消費は全体で25%も削減できた計算だ(仮想化以前は、すべてのサーバが常時オンになっていた)。将来、コンピューティングパワーの増強が必要になったときは、それらの休眠サーバを再活用することになる。
仮想化対応がベンダー選定の条件に
聖ピータース医療サービスで利用していた職員管理システムなど、サードパーティのアプリケーションの4分の3は、VMware上でも問題なく動作した。「どのベンダーもいずれは仮想化に対応するだろう。今後、新しいアプリケーションベンダーとの契約は、仮想サーバのサポートが前提になる」とゴールドバーグ氏は言う。
しかしゴールドバーグ氏にとって、仮想サーバの冒険は始まったばかりだ。仮想化技術の将来については、ハードウェアベンダーとソフトウェアベンダーのポジション争いが気になる、と同氏は言う。「仮想化技術に関するハードウェアベンダーの取り組みに注目している。その努力は実を結ぶだろうか? いずれVMwareのレイヤーを持つ理由はなくなるだろうか?」
ジレット氏はサーバ仮想化を、その先のもっと広範なインフラ改革を促す触媒に過ぎないと見る。「仮想化は海面にのぞく氷山の一角だ」
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